USDCが米先物市場での担保資産に|コインベース・Nodal提携

USDコイン(USDC)は18日、米国先物市場の適格担保に採用される見通しとなった。暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースのデリバティブ部門と清算機関Nodal Clearが提携し、2026年中に対応を進める。
現在、先物取引の証拠金担保は法定通貨に限定されている。今回の提携により、USDCが法定通貨と同等の資産として位置付けられ、伝統的金融と仮想通貨の融合が一歩進む。
本取り組みは、2025年5月に両社が開始した24時間体制のビットコイン(BTC)・イーサリアム(ETH)先物取引に続く展開となる。
規制当局の承認が鍵、ステーブルコインの新たな道
今回の計画が実現するには、米CFTCの承認が不可欠となる。導入目標は2026年に設定されており、今後、規制当局による審査や清算機関の規則改定が進められる見通しだ。
この動きは、米CFTCのグローバル市場諮問委員会が2024年に提言した方針に沿うものである。同委員会は、デリバティブ取引における非現金担保の選択肢を拡大することを推奨していた。
米CFTCの監督下で透明性やリスク管理基準を順守することで、ステーブルコインが伝統的な金融市場で信頼性を確立する試金石となる。
承認されれば、他のステーブルコインが規制市場で利用される可能性があり、多くのアルトコインにとっても追い風となるかもしれない。
コインベースのUSDC普及戦略と市場への影響
コインベースは、USDCのユースケース拡大を積極的に推進している。これには、ECプラットフォームShopifyとの提携や、最大10億ドルにのぼるビットコインを担保としたUSDC融資サービスの提供が含まれる。
また、コインベースウォレット保有者に対して高い利回りを提供するなど、USDCを現金同等物としての魅力を高める施策も展開している。
今回の先物市場への導入は、最大の競合であるテザー(USDT)に対するUSDCの地位を強化する狙いもある。
この計画が承認されれば、トレーダーは法定通貨に限定されず、24時間365日、USDCを担保に先物取引を行えるようになる。
これにより、取引時間外の資金制約が緩和され、市場の流動性と運用効率が向上する。