コインベース、アメックスと提携|4%のBTC還元クレカ発行へ

暗号資産(仮想通貨)取引所大手のコインベースは12日、利用額に応じて最大4%のビットコイン BTC +0.84%を還元するクレジットカードCoinbase One Cardを2025年秋に発行すると明らかにした。
この発表は、同社が開催した2025 State of Crypto Summitで行われた。
アメックスとの提携で高まる信頼性
同カードはクレジットカード発行企業アメックスおよび米銀行First Electronic Bankとの提携により実現した。
提供対象は、月額料金を支払い、取引手数料無料や優先サポートなどの特典を受ける米国のCoinbase One会員に限定される。
特典の還元率はユーザーのコインベース上のデジタル資産保有量に比例し、支払いは連携された銀行口座から引き落とされる仕組みだ。
2025年6月12日より待機リストへの登録が開始されており、サービスの全容は2025年秋に明らかになる見通しだ。
Coinbase One Cardは、決済インフラにアメリカン・エキスプレスのネットワークを活用する。
これにより、アメックスが提供する高度なセキュリティ機能や、旅行特典、購入補償といった顧客向けサービスが利用可能になる。
アメリカン・エキスプレスとの提携は、仮想通貨関連の金融商品に対する信頼性を高める上で重要な要素となる。
この動きは、仮想通貨によるリワードを提供するクレジットカードへの需要の高まりと一致している。
2021年には競合のジェミナイがマスターカードと提携し、最大3%の仮想通貨還元カードを発表した事例もあり、市場のトレンドを反映した戦略と言える。
このような仮想通貨クレジットカードの選択肢が増えることは、ユーザーにとって歓迎すべきことだ。
規制準拠とサービスの多様化
今回の提携では、規制に準拠したインフラの重要性が強調されており、コインベースとアメックスの両社が米国の金融規制を遵守する姿勢を示している。
このカードの発表は、コインベースがCFTC認可の永久先物取引へと事業を拡大している時期と重なる。
これは、同社が仮想通貨関連の金融商品を多様化し、事業ポートフォリオを広げる戦略の一環だ。
なお、発表時点でのビットコインの価格は1BTCあたり約10万7748ドルで、24時間の取引高は約320億ドルに達していた。