ビットワイズCIO、仮想通貨を活用した資産運用戦略を提言

暗号資産(仮想通貨)運用会社ビットワイズのマット・ホーガンCIOはこのほど、投資における多様化されたポートフォリオ戦略の重要性を強調した。
ビットワイズが推奨するポートフォリオ配分
ホーガン氏は、投資家がポートフォリオの1~5%を仮想通貨に割り当てることを提唱している。これはリスクと期待リターンのバランスを取るための戦略的な配分だ。
同氏は、特にビットコイン(BTC)へのエクスポージャーを重視し、過度なボラティリティによる行動リスクを避けつつ、市場の成長機会を捉えることを目的としている。
このアプローチは、仮想通貨市場への慎重かつ計画的な参入方法として注目される。専門家は、このような小規模な配分でもポートフォリオ全体のリターンを向上させる可能性があると指摘している。
機関投資家の参入と市場への影響
現在の仮想通貨市場では、機関投資家の需要が供給を上回る状況が続いている。
ホーガン氏によると、上場投資信託(ETF)や企業、政府による需要がビットコインの年間供給量である約16万5000BTCを超えており、これが価格上昇の圧力となっている。
機関投資家の参入を後押ししているのが、規制に準拠したインフラの整備だ。同氏はカストディサービスや大手監査法人の活用が、伝統的な金融機関と同等の安全性を提供すると指摘する。
こうした信頼性の高いインフラの存在が、ETFの成功と市場の健全な発展に不可欠であり、結果としてより多くの保守的な投資家が市場に参入しやすくなる環境が整いつつある。
仮想通貨の戦略的価値と今後の展望
ホーガン氏は、仮想通貨の戦略的価値についても言及している。歴史的に株式市場との相関が約0.3と低く、マクロ経済の不確実性に対するヘッジとして機能する点が強みだ。
最近の市場変動の中でも、仮想通貨は株式市場と同等の回復力を見せており、過去の低迷期と比較して機関投資家のサポートが強固になったことを示唆している。
資産運用会社ビットワイズはインデックスファンドやETFといった多様な投資手段を提供しており、投資家は自身のリスク許容度に応じて仮想通貨へのエクスポージャーを調整できる。
ホーガン氏は、仮想通貨投資においては計画的なリスク管理が成功の鍵であると指摘しており、ポートフォリオの多様化の観点から、ビットコインに加えてアルトコインへの投資も検討すべき選択肢だと述べている。