AVAX、市場下落の中で3%上昇|アバランチ現物ETF申請を受け

アバランチ(AVAX)の価格は11日、主要暗号資産(仮想通貨)が軒並み下落する中、前日比約3%上昇し、18.4ドル水準で推移している。
この堅調な値動きの主因として、資産運用会社ヴァンエック(VanEck)とナスダックが米国証券取引委員会(SEC)に対し、アバランチを対象とした上場投資信託(ETF)「VanEck Avalanche Trust」の上場申請を提出したことが挙げられる。
ETF申請の詳細と市場への波及効果
本申請は、ナスダックの規則5711(d)に則り、商品ベースの信託株式としてアバランチに連動するETFの取引を可能にするものだ。
承認されれば、投資家はアバランチを直接購入・保有せずにアバランチの価格に連動した投資ができるようになる。
この仕組みは、個人投資家に加え、機関投資家の参入障壁を下げる効果を持つ。
歴史的に、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)を対象としたETF申請の発表は、関連資産の価格急騰を誘発してきた。
今回のアバランチに関する申請も同様の影響を及ぼしており、市場参加者はETF承認による新たな資金流入、とりわけ機関投資家からの需要増を期待している。
この楽観的なセンチメントが、4月11日のアバランチ価格の底堅さを支えていると分析される。
ヴァンエックの戦略とアバランチの魅力
ヴァンエックはこれまで、ビットコインやイーサリアムを対象としたETF申請を通じて、仮想通貨と伝統金融の橋渡しを積極的に進めてきた。
今回のアバランチへの注力は、ビットコインやイーサリアム以外のアルトコインにも投資価値を見出す同社の戦略を反映している。
アバランチは、高速なトランザクション処理と優れたスケーラビリティを誇るレイヤー1ブロックチェーンとして、DeFi(分散型金融)やNFT(非代替性トークン)分野で急速に存在感を高めている。
この技術的優位性が、ヴァンエックの投資対象選定を後押しした要因と考えられる。
不確実性と市場の展望
現時点で、SECによるETF承認の可否は不透明である。過去の仮想通貨関連ETF申請では、規制当局の慎重な姿勢が承認プロセスを長期化させてきた。
それでも、申請発表自体が市場心理を押し上げ、短期的な価格上昇を促す傾向は顕著だ。アバランチの価格動向も、このパターンに沿った動きを示している。
一方、仮想通貨市場全体のボラティリティやマクロ経済環境も無視できない。
金利動向や規制リスクは、アバランチを含む仮想通貨価格に不確実性をもたらす要因であり、投資家は、ETF承認への期待とこれらの外部環境を慎重に評価する必要がある。
【4月11日最新】アバランチ(AVAX)価格のテクニカル分析

週足チャートを概観すると、アバランチは2023年12月のビットコインETF承認を契機に強気な上昇トレンドを形成した。
この時期、価格は20ドルから60ドル超へと急騰し、2024年初頭まで勢いを維持した。
しかし、その後の調整局面を経て、2024年後半の大統領選後の楽観ムードで一時50ドル台を回復したものの、上昇力は明確に失速している。
足元では、100週移動平均線および主要サポートラインを下抜け、2023年以降の強気構造に明確な陰りが見られる。
この下抜けは、長期的なトレンド転換を示唆する重要なシグナルである。
現在、価格は2024年8月の安値水準である18ドル付近で推移しているが、週足の実体で3月の安値15.4ドルを明確に下回った場合、下落圧力が一段と強まるだろう。
このシナリオでは、さらなる調整局面が現実味を帯び、10ドル台前半への下落も視野に入る。
出来高動向を併せて分析すると、買い手の後退が顕著で、売り圧が優勢な状況が続く。
反発の兆候は乏しく、長期投資家にとって警戒すべき局面が続いている。

日足チャートに視点を移すと、1月下旬に移動平均線のデッドクロスが形成され、短期的な売り圧が支配的な展開となっている。
今週月曜日に価格は15ドル付近で一時的な反発を見せたが、安値方向へのバイアスは依然として強い。
出来高も売り圧を裏付ける形で買い手を上回っており、短期的な反転の可能性は低い。
直近の高値である23.4ドルは抵抗線として機能しており、この水準を明確に突破できない限り、上値は重いまま推移するだろう。
一方で、下落シナリオでは、15.4ドルのサポートを下抜けた場合、調整が加速し、10ドル近辺への一段安が想定される。
現在の市場センチメントは弱気に傾いており、短期トレーダーにとって下方向へのリスクが優勢である。
アバランチ(AVAX)相場の展望(要点)
- 長期トレンドの弱体化:週足での100週移動平均線および主要サポートの下抜けは、2023年以降の強気構造の変調を示す。週足実体で15.4ドルを下回れば、10ドル台前半への下落リスクが高まる。
- 短期的な売り圧の継続:日足でのデッドクロスと出来高の動向から、売り圧が支配的。日足実体での15.4ドルのサポート割れは、調整加速のトリガーとなる可能性がある。
- 反発の限界:23.4ドルの抵抗線を突破しない限り、上値余地は限定的。短期的な反発は一時的にとどまる公算が高い。
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