トランプ勝利なら仮想通貨規制進展か|米大統領選の行方に注目

ビットワイズのキャサリン・ダウリング最高コンプライアンス責任者は17日、ドナルド・トランプ氏が次期米大統領選で勝利した場合、長らく停滞している暗号通貨(仮想通貨)市場構造法案の成立が進む可能性があると述べた。
FIT21法案の重要性
ダウリング氏は、金融イノベーション・技術法(FIT21)の重要性を強調した。この法案は、デジタル資産の規制監督を明確にすることを目的としており、業界全体にとって大きな意味を持つ。
具体的には、FIT21は商品先物取引委員会(CFTC)と証券取引委員会(SEC)の役割を明確に定義し、さらに異なるタイプのデジタル資産に対する規制機関を特定することを目指している。
このような明確な規定は、業界の健全な発展に不可欠だと考えられている。
「この法案は非常に重要です。なぜなら、仮想通貨業界では長らくこのような明確な規定が欠けていたからです」と同氏は説明した。
この発言は、業界全体が直面している規制の不確実性を端的に表している。
共和党政権下での法案成立の可能性
ダウリング氏は、共和党政権下では市場構造法案の成立が加速する可能性があると指摘した。
その理由として、現在パトリック・マクヘンリー下院議員とマキシーン・ウォーターズ下院議員の間でFIT21をめぐる党派的な対立が続いており、これが法案の進展を妨げていることを挙げている。
一方で、マクヘンリー議員は米国がフィンテック分野で国際競争力を維持するために規制の明確化が不可欠だと主張している。
しかし、ウォーターズ議員は法案の消費者保護措置が不十分だと懸念を示しており、両者の意見の隔たりが大きい。
大統領選が仮想通貨業界に与える影響
ダウリング氏は、仮想通貨が有権者にとって重要な問題となっているため、今回の大統領選が業界にとってこれまで以上に重要だと指摘した。この見解は、政治と技術の密接な関係を示唆している。
「将来的には、インターネット黎明期と同様に、仮想通貨を巡る政治的な対立がなくなることを期待しています。仮想通貨はイノベーションであり、テクノロジーです。本来は政治的な問題ではありませんが、今回の選挙サイクルでは政治化してしまいました」
この発言は、技術革新と政治の複雑な関係を浮き彫りにしている。
仮想通貨コミュニティは、米国におけるデジタル資産の未来を左右する可能性のある動向を注視している。なぜなら、選挙結果は規制の明確化と業界のイノベーション能力に大きな影響を与える可能性があるからだ。
10月17日時点で、予測市場のPolymarketによると、トランプ氏は民主党候補のカマラ・ハリス氏に19.7%ポイントのリードを保っている。この数字は、選挙結果が仮想通貨業界に与える潜在的な影響を考える上で重要な指標となっている。
結論として、仮想通貨業界は規制の明確化と健全な発展を望んでいる。そのため、今後の米国政治の動向が業界の未来を大きく左右する可能性があり、関係者たちは選挙結果を固唾をのんで見守っている。
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