TONブロックチェーンが40分間停止|資金損失ゼロで復旧完了

The Open Network(TON)は6月1日、メインネットでブロック生成が一時停止する障害が発生した。
この問題は約40分で解決され、すべての資金は保護された状態で維持された。
TONの開発チームによると、障害はマスターチェーンのディスパッチキューにおけるエラーが原因だった。障害期間中、取引の処理は停止したが、保留中の取引はすべて安全な状態で保管され、資金の損失は一切発生しなかった。
ディスパッチキューエラーが引き起こした一時停止
メッセージアプリTelegramと関連するブロックチェーンプラットフォームであるTONは、日本時間6月1日午後9時51分にネットワーク障害を公表した。
障害の原因となったマスターチェーンは、TONネットワークにおいて主要チェーンと複数のワークチェーン間の調整を担う重要な役割を持つ。今回の問題は、取引の配布と処理を管理するディスパッチキューの処理エラーによって発生した。
このエラーにより新しいブロックの生成が完全に停止し、新しい暗号資産(仮想通貨)の送金や取引処理も一時的に不可能な状態となった。
迅速な修復作業で正常稼働を回復
TONの開発チームは問題発生から約40分後に修復作業を完了させ、ネットワークの正常稼働を回復した。
修復作業では、少数のマスターチェーンバリデーターノードのみをアップデートすることで対応した。この限定的なアプローチにより、ネットワーク全体への影響を最小限に抑えながら迅速な復旧を実現した。
TONの分散型アーキテクチャ設計が功を奏し、問題を特定のバリデーターノードに隔離することで、被害の拡大防止に成功した。現在はブロック生成も正常に再開されており、すべてのネットワーク機能が通常通り稼働している。
技術的課題への対応と今後の予防策
開発チームは今回の障害について、技術的な問題であり、セキュリティに関連する問題ではないことを明確にした。
TONは過去にも類似の障害を経験している。2024年8月には、DOGSというミームコインの大量取引により約7時間のネットワーク停止が発生した事例があった。今回の障害は、そうした大規模な取引負荷とは異なる技術的要因によるものだった。
開発者らは障害の詳細な原因と解決プロセスを説明する技術レポートの公開を予定しており、同様の問題の再発防止に向けた対策の検討も進めている。
高スループットを特徴とするブロックチェーンネットワークでは、技術的な複雑さに起因する一時的な障害が発生することがあるが、今回の迅速な対応はおすすめ仮想通貨業界における信頼性向上への取り組みを示すものとなった。