テレグラムのTON開発企業TOP、資金調達で1440億円評価に

テレグラムネイティブのブロックチェーンThe Open Network(TON)の主要アプリ開発企業The Open Platform(TOP)は3日、2850万ドルのシリーズA資金調達を実施した。
これにより、同社の評価額は10億ドルに達した。
今回のラウンドはリビット・キャピタルが主導し、パンテラ・キャピタルも参加した。
取引は株式の5%を取得する形で行われ、暗号資産(仮想通貨)の割り当ては含まれていない。
TOPは2020年の設立以来、複数のラウンドで累計7000万ドル以上を調達している。
テレグラムの巨大なユーザー基盤とTONの再起
TONは元々2018年にテレグラムによって立ち上げられた。
しかし、米SECとの規制上の問題に直面し、17億ドル規模のICOが中止に追い込まれた過去がある。
この結果、テレグラムは投資家に12億ドルを返還した。
その後2022年、同社はコミュニティによって再始動されたTONブロックチェーンを、自社の公式プラットフォームとして採用した。
アンドリュー・ロゴゾフCEOが率いるTOPは、TONの主要なインフラ提供者となり、中核アプリであるテレグラム・ウォレットやDEX、NFTプラットフォームなどを開発している。
テレグラムが抱える10億人以上のユーザー基盤は、TONベースのサービス拡大にとって大きな追い風となっている。
資金使途と今後の成長戦略
今回調達した資金は、主に米国と欧州市場への事業拡大に充てられる。
これらの市場への進出には、各地域の規制に準拠するためのコンプライアンスや運営インフラへの大規模な整備が必要となる。
また、TOPは新たな取り組みとしてブロックチェーンゲームやAIアプリケーションのインキュベーションも計画している。
同社プラットフォームで開発されたNotcoinは、タップして稼ぐ仕組みで人気を博したゲームであり、TONエコシステムの有用性を示す好例だ。
TONエコシステムは主要なベンチャーキャピタルからも注目を集めており、TONの普及に対する市場の信頼がうかがえる。