ストライプら、ステーブルコイン用チェーン「Tempo」正式発表

決済大手のストライプと暗号資産(仮想通貨)投資会社のパラダイムは4日、ステーブルコイン決済に特化した新たなブロックチェーンTempoの開発を公式に明かした。
Tempoは、ストライプの決済分野での経験とパラダイムの仮想通貨技術の専門知識を融合させ、ステーブルコインと実社会での決済のために特別に構築された。
現在は一部のパートナーと非公開のテストネットを運営しており、国境を越えた支払いやB2B決済、送金などのテストを行っている。
高速処理と低コストを実現する独自設計
パラダイムの発表によると、Tempoはイーサリアム(ETH)と互換性のあるネットワークだ。
決済専用のレーンを設けることで、複雑なスマートコントラクトの操作から通常の取引を分離し、毎秒10万件以上の取引を1秒未満で完了させる処理能力を持つ。
また、内蔵された自動マーケットメーカー(AMM)により、あらゆるステーブルコインでの支払いに対応する。これにより、ユーザーは予測可能で低い手数料の恩恵を受けられる。
Tempoは、ストライプとパラダイムが共同で設立した独立企業として運営される。
このプロジェクトは、パラダイムの創設者でありストライプの取締役も務めるマット・フアン氏が主導する。
設計パートナーには、ドイツ銀行やスタンダードチャータードなどの伝統的な金融機関、OpenAIやAnthropicといったテクノロジー企業、ShopifyやVisaなど、幅広い業界の主要企業が名を連ねている。
規制整備と市場競争が開発を後押し
Tempoの開発背景には、ステーブルコインの主流化がある。
パラダイムは「最適化されたインフラへの需要が高まっている」と指摘。これは暗号資産(仮想通貨)業界全体の成長を反映した動きでもある。
既存の仮想通貨システムが主に取引向けに設計されているのに対し、決済分野の最適化は不十分だった。
この動きは、規制の進展にも影響を受けている。
2025年7月に米国議会でステーブルコインに焦点を当てた法案が可決されたことや、政権の支援的な姿勢が、これまで慎重だった企業のブロックチェーン活用を促した。
また、サークル社のArcやテザー社のPlasmaといったステーブルコインに特化した競合ブロックチェーンの登場も、開発を加速させた要因の一つだ。
Tempoは、従来のSWIFTや電信送金といったシステムに代わる、ブロックチェーンを活用した新たな決済インフラを目指している。