SMBCグループ、アバランチでステーブルコイン発行へ

住友三井金融グループ(SMFG)の子会社である住友三井銀行(SMBC)は、アバランチ(Avalanche、AVAX) AVAX -1.54%ブロックチェーンを利用したステーブルコインの発行計画が明らかになった。
住友三井銀行はこのプロジェクトで、Avalancheの開発元であるAva Labsおよびデジタル資産カストディ企業のFireblocksと協力し、ブロックチェーン技術を活用した新たな送金ソリューションの開発を進める。このステーブルコインは、企業が世界中で資金を即時かつ24時間365日移動できる仕組みの提供を目指している。
ステーブルコイン計画の詳細と目的
この取り組みの主な目的は、従来のSWIFTネットワークを介した国際送金に伴う遅延や仲介銀行の必要性といった問題を解消することだ。ブロックチェーン技術を活用することで、国境を越えた資金移動をより迅速かつ低コストで実現できると期待されている。
アバランチは高速なトランザクション処理能力を持つブロックチェーンとして知られており、パーミッションレス型(誰でも参加可能な公開型)のブロックチェーンだが、サブネットとしてパーミッション型(参加者を制限できる)チェーンもサポートしている。SMBCがどちらの方式を採用するかについては現時点で明らかにされていない。
Fireblocksは機関投資家向けの暗号資産(仮想通貨)セキュリティソリューションを提供する企業で、このプロジェクトではセキュリティ面でのサポートを担当すると見られる。
実施スケジュールと関連プロジェクト
SMBCによれば、ステーブルコインの実験は2025年後半から2026年初頭にかけて行われる予定で、正式な発行はその翌年を計画しているという。
SMBCは以前からブロックチェーン技術を活用した金融サービスの開発に積極的に取り組んでおり、Progmatプラットフォーム(日本のトークン化プラットフォーム)を活用したステーブルコイン発行にも関与してきた。また、三菱UFJ銀行(MUFG)やみずほ銀行とともに「Project Pax」という試験的な取り組みも進めている。
金融業界でのブロックチェーン活用の広がり
日本のメガバンクの中では、三菱UFJ銀行も独自のステーブルコイン「Progmat Coin」の開発を進めており、金融業界全体でブロックチェーン技術の活用が加速している状況だ。
このSMBCの取り組みは、日本国内外でのブロックチェーン技術とデジタル資産の活用拡大に寄与するとともに、企業間取引や国際送金の効率化を目指すものだ。また、Avalancheとの連携はWeb3時代に向けた新たな金融エコシステム構築への重要な一歩となる可能性を秘めている。
ブロックチェーン技術を活用したステーブルコインは、価格変動が少なく法定通貨に裏付けられたデジタル資産として、暗号資産の持つ送金の迅速性と、法定通貨の安定性を兼ね備えている。このような特性から、今後の金融取引の効率化に大きく貢献することが期待されている。
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