OpenAIが反発、ロビンフッドのトークン化商品を巡り論争

証券取引アプリのロビンフッド・マーケッツは6月30日、非公開企業であるOpenAIとSpaceXのトークン化商品をEUの利用者向けに提供開始した。
この動きは、サム・アルトマン氏が率いるOpenAIからの反発を受け、論争を呼んでいる。
この商品は実際の株式ではなく、企業の評価額に連動するデリバティブとして設計されている。
利用者はブロックチェーン上で追跡されるトークンを通じて、間接的に企業の価値に触れることができるが、株主としての権利は付与されない。
OpenAIの反発とロビンフッドの主張
ロビンフッド・マーケッツの発表に対し、OpenAIは即座にこの取り組みを公に否定した。
同社はこれらのトークンは、OpenAIが承認または推奨した株式ではないとの声明を発表し、自社との関連性を明確に否定している。
この反発を受け、ロビンフッドのブラッド・テネフCEOは自社の立場を擁護した。
同氏は、提供している商品がデリバティブであることを明確にし、個人投資家が通常はアクセスできない非公開市場の動向を追うための手段であると説明している。
この論争は、企業の許可なくその資産価値に連動する金融商品を開発することの是非を浮き彫りにした。
SpaceXの公式な見解は明らかになっていないが、イーロン・マスク氏はソーシャルメディア上でOpenAI関連のトークンを批判する投稿をしている。
EU市場での展開と商品の仕組み
ロビンフッドがこの商品をEU限定で提供する背景には、米国に比べて比較的緩やかな規制環境がある。
同社は、EUの投資家保護方針を活用し、個人投資家向けに非公開株式へのアクセスを提供する新たな道を模索している。
この取り組みを拡大するため、ロビンフッドはバイビットやクラーケンといった他の取引所とも提携している。
また、7日までのプロモーションとして、対象となるEUの利用者にOpenAIとSpaceXのトークンをそれぞれ5ユーロ分ずつ配布した。
これらのトークン資産は、ロビンフッドが所有する特別目的事業体を通じて運営されている。
この仕組みにより、実際の株式を保有することなく、トークンの評価額が裏付けられる構造となっている。
このようなトークン化商品は、従来の金融市場にはなかった新しい投資機会を提供するものであり、暗号資産(仮想通貨)の技術が応用されている。
大手仮想通貨取引所海外プラットフォームでも、今後同様の商品が登場すると見込まれている。