ソラナ基盤のPump.fun、10億ドル規模のトークン発行計画

ソラナ(SOL)基盤のミームコイン作成プラットフォームPump.funは3日、10億ドル規模の資金調達を目指すPUMPトークンの発行計画を進めている。
Pump.funは2024年初頭の開始以来、ユーザーがソラナブロックチェーン上で即座に独自トークンを作成できる手軽さから人気を博している。
一方で、同プラットフォームの月間収益は1月の1億3,700万ドルから5月には4,660万ドルまで66%減少するなど、課題にも直面している。
収益分配モデルで差別化を図る
Pump.funは5月12日、トークン作成者への収益分配プログラムを開始した。PumpSwap収益の50%を作成者に分配し、トークンの取引量の0.05%をSOLで即座に支払う仕組みとなっている。これは1,000万ドルの取引量につき5,000ドルの収益を作成者が得られる計算になる。
この取り組みは、従来のポンプアンドダンプ行為を抑制し、開発者が長期的にプロジェクトに関与するインセンティブを提供することを目的としている。
創設者のアロン・コーエン氏は「開発者が継続的な収益を得られれば、コミュニティに対してトークンを売り払う必要がなくなる」と説明している。
市場競争激化の中でのトークン発行
今回のトークン発行計画の発表を受け、Pump.funエコシステム内の主要トークンは軒並み下落した。ピーナッツ・ザ・スクワーレル(PNUT)、ムー・デン(MOODENG)、ゴーティアス・マキシマス(GOAT)は最大6%下落し、約1億5,000万ドルの市場価値が失われた。
新しい暗号資産(仮想通貨)コミュニティでは、既に6億7,500万ドルの収益を上げているプラットフォームが、なぜ10億ドルもの巨額調達を必要とするのかという疑問の声が上がっている。
DefiLlamaの創設者は「Pump.funが10億ドルを調達する理由は何なのか。既に6億7,500万ドルも稼いでいるのに、その資金すら使っていないのではないか」とで疑問を呈している。
一方で、ミームコイン市場全体も低迷しており、同分野の時価総額は12月の1,370億ドルから6月4日時点で640億ドルまで54%減少している。このような市場環境の中で、Pump.funは差別化戦略としてトークン発行による資金調達に踏み切る構えを見せている。