ニューヨーク市、ビットコイン担保債券で暗号資産都市に転換へ

ニューヨーク市のエリック・アダムス市長は28日、Bitcoin 2025カンファレンスで、ビットコイン(BTC)担保型債券「BitBond」の導入と規制制度の大幅見直しを発表した。
アダムス市長は同カンファレンスにおいて、ニューヨーク市を世界の暗号資産(仮想通貨)ビジネスの中心地とする包括的な戦略を表明した。この発表は、従来の金融規制に対する市の姿勢を大きく転換するものとして注目を集めている。
ビットコイン担保型債券BitBondの詳細
市長が発表したBitBondは、ビットコイン(BTC)を担保とした革新的な債券制度だ。この仕組みにより、ニューヨーク市は仮想通貨を活用した新たな資金調達手段を確保できる。BitBondの導入により、市の財政運営に仮想通貨が組み込まれることになる。
この債券制度は、機関投資家や個人投資家双方にとって魅力的な資産形成手段となる可能性がある。ビットコインの価格変動リスクを考慮しつつ、安定した収益機会を提供する設計が検討されている。
BitLicense廃止による規制環境の変化
アダムス市長は、仮想通貨企業にとって大きな規制負担となっているBitLicenseの廃止も同時に表明した。BitLicenseは2015年にニューヨーク州が導入した仮想通貨事業者向けの厳格な許可制度で、多くの企業がニューヨーク市場からの撤退を余儀なくされていた。
この規制撤廃により、アルトコインを含む仮想通貨関連企業のニューヨーク市への参入障壁が大幅に低下する見込みだ。市長は「イノベーションを阻害する過度な規制を見直し、企業が成長できる環境を整備する」と述べている。
仮想通貨ハブ化戦略の展望
今回の発表は、ニューヨーク市が仮想通貨分野で世界をリードする都市となることを目指す包括的な戦略の一環だ。アダムス市長は「ニューヨーク市は金融の中心地として、次世代の金融技術を積極的に取り入れる」と強調した。
この政策転換により、多くの仮想通貨企業がニューヨーク市への進出を検討する可能性が高い。市の経済活性化と雇用創出にも大きな効果が期待されている。ただし、連邦レベルでの規制との調整や、実施時期については今後の詳細発表が待たれる状況だ。