FTX、5月末から大規模債権者への返済開始へ|債権は市場20%

破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所FTX(エフティーエックス)は29日、5月30日から大規模債権者への返済を開始すると発表した。
第一段階の小規模債権者向け返済に続き、今回は5万ドル以上の債権が対象となる。
FTXの返済計画の概要
FTXは2022年11月の経営破綻後、総額114億ドル(約1兆7200億円)の資産を回収し、債権者への返済計画を進行中だ。第一段階の返済は2025年2月に始まり、5万ドル(約755万円)未満の小規模債権者が対象となった。
5月30日から始まる今回の返済では、5万ドル以上の大規模債権が対象となる。これには、かつてプラットフォーム上で資産を保有していた顧客や様々なビジネスパートナーが含まれる。
注目すべき点は、ビットコイン(BTC)債権が現在の市場価格の約20%に相当する価値で返済される予定である点だ。
複雑な返済プロセスと課題
FTXの返済プロセスには複数の課題が存在する。最大の問題は膨大な数の債権に対応する必要があることで、その中には無効なものや実際の債務を水増ししたものが含まれている可能性がある。これにより、返済プロセス全体が遅延している。
また、過去2年間でビットコインを含む仮想通貨の価値が大幅に上昇したことで、現金ではなくデジタル資産での返済を期待していた顧客からの不満が高まっている。このような市場の変動は、返済計画の複雑さをさらに増している。
債権者が行うべき手続き
今後の返済を受けるためには、債権者は4月11日までに自身の債権を認証する必要がある。さらに、ビットゴーやクラーケンなどのサービスプロバイダーと必要な書類を完成させることも求められている。
この認証プロセスには、KYC要件の遵守など、金融規制に準拠した手続きが含まれる。これは不正行為を防止し、正当な債権者のみが返済を受けられるようにするための措置だ。
仮想通貨市場への潜在的影響
FTXの大規模返済は、仮想通貨市場全体に影響を与える可能性がある。一部の専門家は、返済によって市場に流動性が増加し、ポジティブな影響をもたらす可能性があると予測している。
返済された資金の一部が再び新しい仮想通貨市場に投資されるシナリオも考えられ、これが市場活性化の一因となる可能性もある。しかし、返済額と現在の市場価値の差により、一部の債権者が不満を抱く可能性も否定できない。
FTXの返済プロセスは、仮想通貨業界における信頼回復の試みとしても注目されている。適切に実行されれば、業界全体の信頼性向上に寄与する可能性がある。
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