金融庁、仮想通貨の分離課税制度を解説|税率55%→20%へ

金融庁は25日、広報誌「アクセスFSA」2026年2月号で暗号資産(仮想通貨)の分離課税制度について解説した。仮想通貨以外に、「こどもNISA」創設についても解説されている。
仮想通貨の税率が一律20%に
令和8年度(2026年度)税制改正大綱に基づき、仮想通貨の税制が現在の総合課税から申告分離課税へと移行する。
新制度では、「特定暗号資産」から得た利益に対する税率が一律20.315%となる。内訳は所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%だ。
これまでの最大55%という重い税負担から大幅に軽減されることになる。
対象となる特定暗号資産は、国内で登録された金融商品取引業者を通じて取引されるものに限られる。現物取引やデリバティブ取引、仮想通貨に特化した投資信託やETFなどが含まれる。
一方で、海外の取引所や分散型取引所(DEX)、個人間取引(P2P)での利益は、引き続き総合課税の対象となる。
この税制改正は、他の金融商品と課税の公平性を保つことを目的としている。
これまで仮想通貨の利益は、上場株式などの金融商品と比較して高い税率が適用されていた。仮想通貨の利用者が増加する中、明確な規制の枠組みと公平な税制の整備が求められていた。
損失の繰越控除と損益通算が可能に
分離課税制度の導入に伴い、仮想通貨の取引における損失の扱いも大きく変わる。
特定暗号資産の取引で生じた損失は、最大3年間にわたって繰り越すことが可能になる。将来の利益と相殺できるため、利用者にとって大きな利点となる。
ただし、この制度を利用するには毎年の確定申告が必要だ。適切な仮想通貨確定申告を行うことが重要となる。
また、特定暗号資産の現物取引とデリバティブ取引の間で損益通算ができるようになる。異なる取引手法の間で利益と損失を相殺し、純利益に対して課税される仕組みだ。
所得区分についても変更があり、特定暗号資産の譲渡益は「申告分離課税に係る譲渡所得等」に分類される。株式の扱いと揃えられる一方で、デリバティブ取引による所得は分離課税の雑所得として扱われる。
なお、株式取引で認められている50万円の特別控除や、5年超保有した場合の減額措置は適用されない。新しい税制は、早ければ2027年1月1日、または2028年1月1日からの開始が見込まれている。