仮想通貨企業、米銀行免許取得へ|CircleやBitGoが申請準備

米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は21日、Circle(サークル)やBitGo(ビットゴー)など複数の大手暗号資産(仮想通貨)企業が、米国の銀行免許や金融ライセンスの取得を計画していると報じた。
報道によると、ステーブルコイン発行企業のCircleやデジタル資産カストディ(保管・管理)を提供するBitGoのほか、仮想通貨取引所のCoinbase(コインベース)、ステーブルコイン発行企業のPaxos(パクソス)などが、米国での銀行業の認可やライセンスの申請準備を積極的に進めている。
これらの申請は、規制当局から許可を得て、伝統的な金融インフラとのより深い統合を目指すものだ。具体的には、規制された枠組みの下でのステーブルコイン発行や、従来の銀行と同様のカストディサービスの提供などが考えられる。
中でもCircleは、ステーブルコイン発行に特化した限定的なライセンス取得に焦点を当てているとされる。仮想通貨業界は長年、銀行サービスの利用に課題を抱えており、2024年にはCustodia Bank(カストディア銀行)が連邦準備制度理事会(FRB)のマスターアカウント取得に失敗した経緯もある。
規制緩和への期待と競争圧力
今回の動きの背景には、いくつかの要因がある。まず、ステーブルコイン規制に関する最近の法案審議や、仮想通貨の銀行業務に関する明確な枠組みへの超党派の支持の可能性など、規制環境が変化する兆しが見られることだ。
また、Bank of America(バンク・オブ・アメリカ)をはじめとする伝統的な銀行が、銀行以外のステーブルコイン発行者を制限するようロビー活動を行っており、ライセンス取得競争が激化している側面もある。
さらに、銀行免許を取得すれば、決済サービスを提供する第三者の仲介業者への依存度を減らし、カウンターパーティリスク(取引相手の信用リスク)を軽減できる。
加えて、Fedwireのような決済システムへ直接アクセスできるようになるなど、運営上の必要性も高まっている。規制当局の承認を得ることは容易ではないが、承認されれば仮想通貨 投資家からの信頼向上にもつながるだろう。
今後の展望と課題
一方で、課題も存在する。Circleは提案されているステーブルコイン法案を巡り、既存銀行との間で「縄張り争い」に巻き込まれている。既存銀行は、銀行以外の発行者に対してより厳しい規則を求めている。
ライセンス申請が承認された場合、これらの企業は資本要件やコンプライアンス義務など、従来の銀行と同様の厳しい規制監督下に置かれることになる。
金融アナリストのマット・レビン氏などは、この傾向について、仮想通貨業界が伝統的な銀行システムとの融合を深め、同様の規制構造を採用していく兆候だと見ている。
仮想通貨企業による銀行免許取得の動きは、業界全体の成熟と、既存金融システムへの統合に向けた重要な一歩となる可能性がある。今回の動きは、仮想通貨 今後の価格動向や市場の安定性にも大きく影響を与える可能性がある。
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