バイナンス元CEO、ミームコインの現状に「奇妙」と苦言呈する

大手仮想通貨取引所「バイナンス」のチャンポン・ジャオ元CEOは26日、自身のX(旧Twitter)で最近のミームコインの現状に対して苦言を呈する投稿をした。
同氏は、最近のミームコインエコシステムの現状について「奇妙になってきている」と指摘し、その将来性に懸念を示した。
彼は自身の投稿を通じて、ただ面白さを追求するのではなく、本質的なブロックチェーンアプリケーションの構築に注力するようミームコイン開発者に呼びかけている。
ミームコインの急成長と持続可能性への懸念
2021年以降、ドージコイン(DOGE)やペペ(PEPE)などの動物をモチーフとしたミームコインが、実業家イーロン・マスク氏や仮想通貨コミュニティの熱烈な支持を背景に、仮想通貨市場で急速な成長を遂げてきた。
しかし、これらのプロジェクトは元々インターネット上のミームを起源としており、その価値を裏付ける実用性が欠けている点が指摘されている。そのため、ビットコインやイーサリアムといった主要コインと比較すると、長期的な持続可能性に対しては依然として懐疑的な声が多い。
一方で、ミームコイン市場は仮想通貨全体の中でも特に成長著しい分野となり、現在ではその市場全体の時価総額が1200億ドルを超える規模にまで拡大を遂げた。
さらに、アメリカ次期大統領にドナルド・トランプ氏が再選され、彼と親交のあるマスク氏が新設される「政府効率化省(DOGE省)」の長官に就任することが決定するなど、ミームコイン市場に追い風となる動きが続いている。
今回のジャオ氏の投稿は、こうしたミームコインの成長とその持続可能性に対する疑問を提起する形となった。
実用性に欠けるミームコインへの警鐘
ジャオ氏はミームコインの存在自体を否定しているわけではない。しかし、現在のミームコイン市場には、ブロックチェーンの本質的な価値や実用性を伴わないプロジェクトが数多く存在することも事実だ。同氏の今回の発言は、そのようなミームコインに対する警鐘として受け止めることができる。
市場が拡大する中で、価値を持たないプロジェクトが乱立している現状に対し苦言を呈した彼の投稿は、ミームコイン開発者にとって重要な警告として大きな反響を呼んでいる。