三大メガバンク、2026年に円建てステーブルコイン共同発行へ

三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の三大メガバンクは9日、2026年度末までに円建てのステーブルコインを共同発行する方針を固めた。
金融庁支援で進む次世代決済インフラ
3行は近く基本合意書を締結し、詳細な設計を行うための協議会を設立する。
この協議会では、ステーブルコインの発行や流通に関する法的枠組み、運用ルール、技術的な基準について深い議論を進める予定だ。
この取り組みは、2025年11月に金融庁の支援を受けて開始されたパイロットプログラムが基盤となっている。
三菱UFJ信託銀行やブロックチェーン基盤のProgmat(プログマ)を活用し、法定通貨を裏付けとする信託型のステーブルコインの発行をテストしてきた。
現金準備金を信託し、法的に認められた電子決済手段としてトークンを発行する仕組みだ。将来的には、人工知能(AI)を活用した不正検知システムの導入も検討されている。
金融庁は、決済の利便性向上を目指すプロジェクトの一環として、この共同発行を第1号案件に選定している。
マネーロンダリング対策や本人確認などの規制面でガイダンスを提供し、複数銀行による単一ブランドでの発行を後押しする。
銀行側と規制当局は、各行が独自トークンを発行して決済インフラの分断を防ぐ、という共通の目標を持っている。
共通規格を推進することで、利用者にとって利便性の高い環境を整え、日本国内でのデジタルマネーの普及を強力に支える狙いだ。
また、ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)との交換も視野に入れた議論が期待される。
ドル建てステーブルコインへの対抗
今回の共同発行は、テザー(USDT)やUSDコイン(USDC)など、世界的に普及するドル建てステーブルコインに対する戦略的な対抗策でもある。
現在、世界の仮想通貨市場ではドルに連動したステーブルコインが圧倒的なシェアを占めている。
規制に準拠した円建ての選択肢を提供し、国内決済や将来的な国際送金での活用を目指す。
報道によると、当初は2025年度内の実用化が見込まれていたが、3行間での法務や技術面の調整が複雑化し、2026年度への延期となった。
競合するメガバンク同士が連携するため、慎重なすり合わせが求められている。現在は三菱商事などを初期ユーザーとして、企業間決済や海外拠点との送金テストを実施している。
最初の製品が企業向けに限定されるかや、どのブロックチェーンに対応するかなどの詳細は、今後の協議会で決定される。
将来的にドル建てステーブルコインとどのように相互運用していくか、も重要な議題だ。
仮想通貨市場が拡大する中、このステーブルコインは日本銀行が検討するデジタル通貨とは異なる、新たな決済基盤として期待を集めている。