米当局、中国詐欺で押収のビットコイン大規模移動|過去最大級

米当局は22日、Lubianの詐欺事件に関連するウォレットから、1万5,959 BTC(約2,782億円相当)が4つの異なるアドレスに送金されたことを確認した。
この動きは、当局が押収した暗号資産(仮想通貨)の管理プロセスの一環とみられている。
仮想通貨史上最大級の横領事件
この資産は、2020年に発生したLubianの横領事件に由来する。
当時、中国を拠点とする同マイニングプールは、ハッカーによって12万7,426 BTCを盗まれたと発表していた。
しかし米司法省(DOJ)の調査により、これは外部攻撃ではなく運営者チェン・ジー氏による計画的な横領だったことが明らかになった。
DOJが21年11月30日に発表したプレスリリースによれば、チェン氏は「技術的な問題」を装い利用者資金を不正流用し、オンチェーン取引で資金洗浄を実施。
米当局はフォレンジックツールと国際協力により盗難ビットコインを追跡し、米国法典第18編第981条(a)(1)(C)に基づき資産を押収した。
押収資産管理の一環としての送金
今回の送金は、押収された仮想通貨を管理する米当局のプロトコルに沿ったものとみられる。
DOJは2021年時点で「没収されたデジタル資産は、裁判所の指示による処分まで同省が保管する」と明言。
大規模送金は資産の統合や競売準備、セキュリティ強化の一環として行われる。
オンチェーンアナリストによると、この送金は米連邦保安官局(USMS)の2023年版デジタル資産押収ガイドラインに基づくもの。
同ガイドラインでは「セキュリティと市場の安定性を高めるため、定期的な資産再分配」が義務付けられている。
さらに、2024年のデジタル資産説明責任法の成立後、押収資産は売却前に監査済みのマルチシグネチャウォレットへ移すことが義務化されている。
今回の送金もこの流れに沿うものとされる。
市場環境と今後の注目点
現在、ビットコイン価格は1BTC=11万4,700ドル(約1,743万円)を突破しており、当局による競売タイミングも注目されている。
送金先4アドレスは、過去にシルクロード事件で押収された36億ドル(約5,472億円)相当の資産と関連性が確認されており、米政府管理の特徴を示している。
今回の送金は、仮想通貨市場における大規模な国家管理資産の存在と、その取扱いプロセスの透明性を浮き彫りにした事例といえる。