ロシア最大手取引所、ルーブル建てビットコイン先物を導入

モスクワ証券取引所(MOEX)は4日、ビットコイン(BTC)連動先物契約の提供を開始した。
この新商品は適格投資家のみが利用でき、ロシアの暗号資産(仮想通貨)市場における重要な転換点となる。
米国ETFに連動したルーブル建て先物
新しい先物契約は、米国で上場されているiShares Bitcoin Trust ETF(IBIT)に連動している。 IBITは1株あたり0.00068BTCを表しており、投資家は直接ビットコイン(BTC)を保有することなく価格変動のリスクを負う。 取引価格は米ドル建てで表示されるが、決済はロシアルーブルで行われる。
この仕組みにより、投資家は国際的な仲介業者への依存を抑えながら、ビットコインの変動に対応できる。 最初の先物契約は2025年9月に満期を迎え、その後は3か月ごとに満期が設定される四半期制を採用している。 この定期的な満期設定により、投資家は継続的に新たな投資機会を得ることができる。
規制環境の変化と市場拡大
今回の先物導入は、ロシア中央銀行が適格投資家向けの仮想通貨連動デリバティブ(金融商品取引の一種)を承認したことを受けたものだ。 これまで仮想通貨に慎重な姿勢を示してきた中央銀行が政策転換を行ったといえる。
ロシア最大手銀行のズベルバンクも同時期に、ビットコイン先物と米ドル・ルーブル為替レートを組み合わせた仕組債を導入した。 これらの商品は、地政学的リスクや市場の不確実性が高まる中で、通貨リスクとビットコイン価格リスクの両面をヘッジしたい投資家のニーズに応えている。
サンクトペテルブルク証券取引所も、類似の現金決済型ビットコイン先物のテストを実施している。 ロシア全体で仮想通貨デリバティブ市場の拡大が進む中、厳格な規制下においても投資家教育が進められている。
今後のロシア市場では、ビットコイン以外のアルトコインに関連するデリバティブ商品の登場も期待される。