ソラナ基盤Pump.fun、トークンオークションを7月中旬に再延期

ソラナ基盤のミームコインプラットフォームPump.funは20日、6月25日に予定されていた40億ドル規模のトークンオークションを延期し、7月中旬に実施する見込みと明かした。
同プラットフォームは複数の法的問題に直面しており、延期の背景には集団訴訟や運営上の混乱がある。
評価額5800億円規模の大型調達計画
今回延期されたオークションは、プロジェクトの評価額が40億ドルに設定され、10億ドルの資金調達を目指す大規模なものだった。
評価額の高さは、ミームコイン発行を簡素化する同プラットフォームのビジネスモデルへの市場の期待を反映している。
プラットフォームは累計で7億6000万ドル以上の収益を上げており、日々200万ドル超の手数料を生み出している。
機関投資家向けのプライベート・プレースメントも並行して進められており、トークンの60%が私募で販売される予定となっている。
しかし、オークションは当初の計画から何度も延期を重ねている。
2024年後半に最初の計画が発表されて以降、明確な理由なく複数回にわたり実施が先送りされてきた。
集団訴訟と運営混乱が影響
延期の主要因として、複数の深刻な法的問題が挙げられる。
1月30日、Burwick Law法律事務所とWolf Popper法律事務所が南部ニューヨーク地方裁判所に集団訴訟を提起した。
訴訟では、Pump.funが未登録証券の販売に関与し、トークン価格を人為的に釣り上げて投資家に損失を与えたと主張している。
さらに2月には、ユーザーが作成したトークンにおける商標や企業ロゴの無断使用を理由とした知的財産権侵害で、停止命令も出されている。
プラットフォーム上で200を超えるトークンが法律事務所の商標を侵害していると指摘された。
運営面でも混乱が続いている。6月16日には同社とその創設者のX(旧Twitter)アカウントが一時停止され、その理由は明かされていない。
市場への影響と今後の見通し
度重なる延期は、参加を予定していた暗号資産(仮想通貨)ファンドの期待を削ぐリスクをはらんでいる。
ソラナ(SOL)の価格も影響を受け、延期発表後に約1%下落して142ドル台で推移している。
7月中旬の新たな実施予定日についても、依然として暫定的な扱いとなっている。
プロジェクトの成功は、進行中の法的紛争の解決と市場環境の改善にかかっている状況だ。
この問題は、ソラナエコシステム全体における新しい仮想通貨市場の持続可能性についても議論を呼んでいる。
業界関係者は、訴訟の結果が他の類似プラットフォームにとって重要な前例となる可能性があると注視している。