メタプラネット連合、タイ企業買収か|ビットコイン戦略を強化

日本のメタプラネット社の関係者が主導する企業連合は3日、タイ上場企業DV8社の株式公買い付け(TOB)を開始することを明らかにした。
この買い付けは、DV8社の登録資本金の75%以上を取得するほか、東南アジアでビットコイン(BTC)を企業準備資産とする戦略の推進を目的としている。
タイ証券取引所は同日、この計画を公表した。
マイクロストラテジーモデルの東南アジア展開
この企業連合には、メタプラネットの経営陣や支援者であるUTXO Management、Sora Ventures、タイの資産運用会社Kliff Capitalが参加している。
加えて、個人としてメタプラネットのサイモン・ゲロヴィッチCEOも参画している。さらに、香港上場の通信会社Moon Inc.が支援に加わった。加えて、メタプラネットやMoon社、DV8社に出資するナスダック上場のAsiaStrategyも支援を表明した。
この動きは、企業の準備資産をビットコインに転換するという、米マイクロストラテジー社の戦略を模倣したメタプラネットの成功事例を再現する狙いに基づく。
Sora Venturesのジェイソン・ファン氏は、タイがタイ証券取引所における次のメタプラネットになる可能性を指摘し、地域の金融トレンドに影響を与える意欲を示した。
地域金融への影響と今後の課題
買収が成功すれば、DV8社は東南アジアにおいてビットコインが企業の準備資産として有効であることを示す代表的な事例となる可能性がある。
これにより、他の東南アジア企業がビットコインを準備資産として採用する動きが加速し、地域の企業財務のあり方に変革をもたらすかもしれない。
一方で、企業連合はタイ市場への期待を表明するにとどまり、DV8社の既存事業とビットコイン中心の財務戦略を如何に両立させるかといった具体的な運営方針については明言を避けている。
今回の公開買付は、機関投資家によるビットコイン採用の新たな局面を示すものであり、タイが仮想通貨主導の企業戦略の新たな舞台として注目される。