金融企業LGHL、6億ドルの資金調達で「HYPE準備金」立ち上げ

シンガポール拠点の金融取引プラットフォームLion Group Holding Ltd.は18日、投資会社ATWパートナーズから6億ドルの戦略的資金調達枠を確保した。
この資金により世界最大級のハイパーリキッド(HYPE)準備資産設立を目指す。
市場はこの戦略を好感し、同社株価は前日比約20%上昇の3.33ドルで取引を終了した。
DeFi戦略の転換と資産構成
新たな準備資産はハイパーリキッドのネイティブトークンであるHYPEを主要な準備資産として位置づける。
さらにソラナ(SOL)およびスイ(SUI)の大規模な保有で補完される計画だ。
大手デジタル資産インフラプロバイダーのBitGo Trust Companyが、SOLとSUIの保管とステーキングを担当する。
これにより機関投資家レベルのセキュリティと利回りの確保を目指す。
初回分となる1060万ドルは48時間以内に実行される見込みで、残りの資金は準備資産の成長とオンチェーン金融イニシアチブに充てられる。
急成長する機関投資家の関心
ウィルソン・ワンCEOは「ハイパーリキッドは既存のデリバティブ事業の自然な延長であり、分散型オンチェーン執行が取引の未来という確信を反映している」と述べた。
同社の発表と同日、もう一つのナスダック上場企業であるアイノビアも独自のハイパーリキッド準備資産を発表している。
これは暗号資産(仮想通貨)業界において、ビットコイン(BTC)を超えたアルトコインへの機関投資家の関心が高まっていることを示している。
分散型金融プラットフォームのハイパーリキッドは、現在約5億4200万ドルの総預かり資産を誇る。
同プラットフォームは分散型デリバティブ取引に特化しており、従来の中央集権型取引所(CEX)に比べて透明性とセキュリティの向上を実現している。
アジア進出と今後の展望
ライオングループはトレーダー層の拡大を目指し、東京証券取引所とシンガポール証券取引所への重複上場も検討している。
実現すれば、アジアで初のHYPE準備資産を提供する企業となる可能性がある。
今回の資金調達では、Chardan Capital Marketsが単独のプレースメントエージェントを務めた。
同社の戦略は、BitGoが提供する安全でコンプライアンスに準拠したインフラを通じて、仮想通貨市場における機関投資家のDeFi参入を後押しする可能性がある。