米GENIUS法改正案、ステーブルコイン発行者の名称規制強化へ

米議会は15日、ステーブルコイン発行者に対する名称規制と、IT大手による発行管理強化を盛り込んだGENIUS法改正案を提案していることが明らかになった。
この改正案は、米国発行型のステーブルコインに関する規制の隙間を埋めることを目的としている。
発行者の名称規制と政治的懸念
改正案では、ステーブルコイン(法定通貨と価値を連動させた暗号資産)発行者に対し、「ドル」「リザーブ」「フェデラル」といった政府との関係を示唆する名称の使用を禁止する方針だ。
これにより、連邦政府や公的機関の後ろ盾があるかのような誤解を防ぐ狙いがある。また、支払い用途のステーブルコインを証券や商品と見なさない点を明確にしつつ、発行者には厳格な監督体制を義務づける。
この動きは、近年高まる政治的リスクや汚職、外国勢力の介入への警戒感を背景としており、民主党上院議員らは一層の安全策を求めている。トランプ前大統領のデジタル資産事業との関係を巡る批判もあり、法案は議会内で足踏み状態が続いている。
IT大手への規制強化と新たな監督体制
改正案では、メタ(旧Facebook)など大手IT企業によるステーブルコイン発行に対し、従来以上に高いリスク管理やデータプライバシー、独占行為の抑制策を求めている。
これらの企業が十分な消費者保護や公正な市場運営を行うことを目的に、発行規模や金融リスクに応じた追加規定も導入する。
さらに、発行済みステーブルコインの総額が100億ドル(約1,460億円)を超える州規制事業者は、連邦規制下への移行または新規発行の停止が義務付けられる見通しだ。
監督一元化を図るため、「ステーブルコイン認証審査委員会」の新設も盛り込まれており、州と連邦の基準整合を推進する。
今後の展望と課題
米国のステーブルコイン市場は、分断された監督体制や規制の不透明さから、欧州やアジア諸国に遅れを取っている。今回のGENIUS法改正案は、8月までの成立を目指しており、成立後は180日から1年以内に細則が策定される予定だ。
本改正案が成立すれば、暗号資産(仮想通貨)全体の成長にも波及効果が生まれるだろう。また、これにより分散型金融(DeFi)分野への影響も注目されている。
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