眼科企業アイノビア、5000万ドル調達でDefi分野に本格参入か

ナスダック上場の眼科技術企業アイノビアは17日、機関投資家との間で5000万ドルの資金調達を実施する。
同社は調達資金で暗号資産(仮想通貨)ハイプ(HYPE)を取得し、分散型金融分野への本格参入を目指す。
100万トークン以上を取得へ
今回の資金調達は、HyperliquidブロックチェーンのネイティブトークンであるHYPEの取得を目的としている。
アイノビアは100万トークン以上のHYPEを取得し、Hyperliquidネットワークにおける主要なバリデーターとしての地位を確立する計画だ。
同社はHYPEを財務準備金として保有する米国初の上場企業となる。
この戦略転換に伴い、新しい仮想通貨分野の専門家であるHyunsu Jung氏を最高投資責任者兼取締役に任命した。
Hyperion DeFiへ社名変更
取引完了後、同社は社名を「Hyperion DeFi」へ、ティッカーシンボルを「HYPD」へ変更する予定だ。
取引は6月20日頃に完了する見込みである。今回のPIPEでは、議決権のない転換優先株式とワラントが発行される。
すべてのワラントが行使された場合、調達総額は最大1億5000万ドルに達する可能性がある。
資産の安全性確保のため、おすすめ仮想通貨のカストディサービスを提供するAnchorage Digitalと提携する。
アイノビアは、自社のナスダック上場という地位を活用し、Hyperliquid初の株式公開バリデーターとなることを目指している。
既存事業も継続
同社は今回のDeFi分野への進出後も、既存の製薬事業を継続する方針だ。
主力製品であるOptejetマイクロドージングシステムの開発も引き続き進められる。
特に、第2世代の「Optejet User Filled Device」は、2025年9月までに米国食品医薬品局への登録を目指している。
今回の動きは、2024年12月に実施した190万ドルの資金調達に続くもので、製品開発と並行して新たな事業の柱を築く狙いがある。
Hyperion DeFiへの社名変更は、中核であるヘルスケア事業の使命を維持しつつ、ブロックチェーン技術を統合していくという同社の姿勢を明確に示している。