ヴィタリック氏、イーサリアムを1年で10倍拡張する計画発表

イーサリアム(ETH)のヴィタリック・ブテリン共同創業者はこのほど、チェコ・プラハで開催されたETHGlobal Prague 2025において、「イーサリアムは今後1年以内にレイヤー1スケーラビリティを10倍に拡張できる。」という見解を示した。
具体的には、遅延トランザクションの実行、ネットワークの改善、分散型履歴ストレージの導入などのアップグレードにより、手数料削減と速度向上が可能になるといる。
また同氏は、分散化や検閲耐性、ユーザープライバシーを損なわない慎重なアプローチを強調した。
10倍拡張を実現する技術
具体的な技術的アップグレードとして、ステートレスノードの導入が挙げられた。
これは、ノードがブロックチェーンの全状態を保存せずに検証可能にする仕組みで、必要なハードウェアリソースを削減し、より多くのユーザーがノードを運用できるようにする。
これにより、ネットワークの分散化が促進される。
また、イーサリアム仮想マシン(EVM)の最適化や、EIP-4444の採用による古いデータのプルーニングも計画されており、ノードのストレージ負担軽減とアクセシビリティ向上が期待される。
一部研究者の提案に警鐘
ブテリン氏は、一部の研究者が提案するイーサリアムの100倍スケーリング案に対し、セキュリティや分散化を損なうリスクを指摘した。
10倍スケーリング達成後、ネットワークの安定性を評価する「一息つく期間」を設け、長期的な完全性を確保する方針を示した。
さらに、レイヤー2ソリューションの効率向上も視野に入れ、特定シナリオでは100倍以上のパフォーマンス向上も可能と述べた。
ブテリン氏は以前より、レイヤー2間のシームレスな資産移転の必要性を強調し、分離されたエコシステムの形成を防ぐ重要性を指摘している。
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