コインベース、第4四半期に約37億円相当のイーサリアムを売却

暗号資産取引所大手のコインベースは19日、2024年第4四半期に約3700万ドル(約55億5000万円)相当のイーサリアム(ETH) ETH +5.42%を「積極的に」売却したことが明らかになった。
スタンダード・チャータード銀行の分析によると、価格目標の大幅な引き下げは、主にレイヤー2ブロックチェーンの急成長がイーサリアムのメインネットワークに与える影響によるものだ。
特にコインベースが運営するレイヤー2ブロックチェーン「Base」は、イーサリアムのメインチェーンから取引活動を大きく移行させており、これによりイーサリアムの市場価値が約500億ドル(約7兆5000億円)減少したと推計している。
具体的な数字として、コインベースは2024年第4四半期に12万652ETH(現在のレートで約3700万ドル相当)を売却したことを明らかにした。この売却はイーサリアムの価格下落圧力になった可能性がある。
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レイヤー2の成長とイーサリアムへの影響
レイヤー2ブロックチェーンとは、イーサリアムのようなメインネットワーク(レイヤー1)上に構築された二次的なプロトコルで、取引処理能力を向上させるために開発されたものだ。
これらのソリューションはスケーラビリティを改善する一方で、取引活動をメインネットから移行させることによって、イーサリアムの直接的な収益と価値を減少させている。
スタンダード・チャータードの分析では、コインベースのBaseをはじめとするレイヤー2ネットワークの成長が、イーサリアムのネットワーク価値を大きく毀損していると指摘している。
また、コスト効率が高いレイヤー2への移行が進むにつれ、イーサリアムメインチェーンでの取引量と手数料収入は継続的に減少している。
イーサリアムの将来予測と市場価値
スタンダード・チャータード銀行は、イーサリアムが構造的な変化に直面していると分析している。プルーフ・オブ・ステーキング(PoS)への移行やスケーリングロードマップの変更など、複数の要因がイーサリアムの現在の市場苦戦に寄与している。
同銀行が提案した解決策として、レイヤー2の「超過利益」に課税するアプローチがあげられたが、実現の可能性は低いと認識されている。一方で、トークン化された実物資産(RWA)などの分野ではイーサリアムが依然として支配的な立場を維持しているものの、全体的な市場シェアは減少傾向にある。
将来の見通しとして、同行は2028年から2029年にかけてイーサリアムが7500ドル(約112万5000円)に達する可能性があると予測しているが、短期的にはビットコインに対する相対的なパフォーマンス不足が続くと見ている。
市場専門家の間では、イーサリアムの価格予想として短期的な回復の可能性を認めつつも、全体的な市場センチメントは弱気を維持している。今後のレイヤー2エコシステムの発展と、イーサリアムの基盤技術の進化が、その長期的な価値にどう影響するかが注目されている。
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