USDC発行のサークル社、JPモルガンとシティ起用しIPO申請へ

ステーブルコインUSDC(USDコイン)の発行元であるサークル・インターネット・ファイナンシャルは31日、JPモルガン・チェースとシティグループを主幹事としてIPO(新規株式公開)を準備していることを明らかにした。
同社は2025年4月下旬までに米国証券取引委員会(SEC)にIPO関連書類を提出する予定だ。このIPOが実現すれば、サークル社は主要なステーブルコイン発行者として初めて従来の方法で株式を公開上場することになる。
大手金融機関の支援を受けたIPO準備
JPモルガンやシティグループといった世界的な投資銀行の関与は、サークル社のIPOに対する金融界からの強い支持と戦略的サポートを示している。成功すれば、2021年のコインベース上場以来最大の暗号資産(仮想通貨)関連IPOとなり、この分野への投資家の関心の高まりを反映することになる。
サークル社は、テザー(USDT)に次ぐ規模を持つステーブルコインUSDCの発行者として知られている。IPOにより透明性と規制遵守の姿勢を強化することで、透明性に関して批判を受けることのあるテザーに対して市場での優位性を得る可能性がある。
過去の上場試みからの転換
サークル社は以前、SPAC(特別買収目的会社)を通じた合併による上場を検討していたが、規制上の障壁に直面し、最終的にこの計画を取り消した経緯がある。今回の従来型IPOアプローチへの移行は、成功すれば同社の財務状況をより明確に示すことになるだろう。
また、サークル社はSBIホールディングスなどとのパートナーシップを通じて日本市場への進出を図るなど、グローバルな展開も強化している。これはUSDCの国際市場での採用可能性を高めるものだ。
仮想通貨市場への影響
サークル社のIPOは、透明性と規制遵守を促進することで、より広範な仮想通貨およびステーブルコイン市場に影響を与える可能性がある。特に、従来型の金融システムと仮想通貨業界の間の架け橋としての役割が強化されることが期待される。
ステーブルコインは、価値を法定通貨に連動させることで価格変動を抑えた暗号資産として、暗号資産取引の決済手段やデジタル送金などで広く利用されている。主要発行者の上場は、この分野の成熟度と信頼性を高める重要なステップとなるだろう。
多くの仮想通貨取引所ではUSDCが主要な取引ペアとして採用されており、サークル社の上場はエコシステム全体の安定性向上に貢献する可能性がある。
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