Ark Invest、サークル株を65億円追加売却|2日間で総額140億円

キャシー・ウッド氏が率いるArk Investは18日、ステーブルコイン発行企業サークル社(CRCL)の株式をさらに4480万ドル相当を売却した。
これは前日の5170万ドルの売却に続くものであり、2日間の総額は9650万ドルに達する。なお、今回の売却額は当初保有していた株式のおよそ14%に相当する。
売却は、ARK Innovation ETF、ARK Next Generation Internet ETF、ARK Fintech Innovation ETFの3つの上場投資信託を通じて実行された。
売却後もサークルの株価は堅調で、18日の終値は149.15ドルとなり、新規株式公開価格の31ドルを118%上回る水準を維持している。
売却の背景にある複数の要因
Ark Investによる今回の株式売却は、複数の要因が背景にある。まず、サークル株はIPO後に大幅な上昇を示し、利益確定を狙う動きが強まった。
同社はIPO時に3億7340万ドルを投入しており、今回の売却は投資リターンを確実にするための戦略的判断と考えられる。
次に、規制環境の変化が挙げられる。売却が実施された18日、米国上院ではステーブルコイン発行者を規制する超党派の法案「GENIUS法」が可決された。
これにより、サークルの事業環境に大きな変動リスクが生じる可能性があり、Ark Investはリスク管理の観点からポジションを調整したと考えられる。
さらに、ポートフォリオ再編も要因の一端である。Arkは売却で得た資金を、AMDや台湾セミコンダクターなど他のハイテク株への投資に振り向けたと報告している。
この動きは、仮想通貨への過度な集中投資からリスク分散を図るためのものと解釈できる。
市場の反応とArkの今後の戦略
大規模な売却が相次いだものの、市場の反応は限定的にとどまった。サークルの株価は取引時間中に一時1.26%下落したが、時間外取引では2.84%上昇し、投資家の信頼感を裏付けた。
サークルのジェレミー・アレールCEOは、可決されたGENIUS法をステーブルコインの革新を支える天才的な法案として歓迎している。
Ark Investは今回の大口売却にもかかわらず、依然としてCircleを主要な保有銘柄に位置づけている。同社がサークルの長期的成長性を信頼していることが示されると同時に、短期的な利益確定とポートフォリオ最適化を進める狙いが垣間見られる。
このような動きは、ビットコイン(BTC)を含む市場全体の将来性を見据えた戦略といえる。