ウォレット大手ファントムCEO、独自チェーンやIPO計画を否定

ソラナ(SOL)
暗号資産ジャーナリスト
監修
最終更新日: 

ファントムウォレットのブランドン・ミルマンCEOは12日、ポッドキャスト「Empire」に出演し、同社が独自のブロックチェーンを立ち上げたり、新規株式公開(IPO)を目指したりする計画がないと述べた。

同氏は、ソラナ(SOL)エコシステムとユーザー向けの製品開発に注力する方針を明確にした。

IPOの可能性については認めつつも、a16z、Paradigm、Sequoiaなどの支援を受け、プライベートな資金調達を通じて事業を拡大する意向を示している。

ソラナエコシステムへの注力と成長戦略

ダウンロード数、レビュー、日間アクティブユーザー数でNo.1のソラナウォレットと評されるファントムは、イーサリアム(ETH)エコシステムに深いルーツを持つチームから生まれた。

ミルマン氏と共同創業者らは、0xやMatcha.xyzといったプロジェクトで貴重な経験を積み、それが開発者とユーザー双方のニーズに対する独自の視点をもたらした。

当初は基本的な機能のみのシンプルなウォレットとして始まったが、現在では多機能なアプリケーションへと進化している。

ミルマン氏は2024年のイベントで「初期は非常にシンプルなウォレットだったが、今日では非常に多機能なアプリケーションになった」と語った。

同社は約75人の従業員を抱える規模に成長したが、3人の共同創業者が製品の重要な意思決定に深く関与する経営体制を維持している。

このアプローチにより、一貫した製品水準を確保しているという。また、2020年にバイナンス・スマート・チェーンが登場したことをきっかけに、マルチチェーン対応へと舵を切った。

ユーザー体験と戦略的提携を重視

ファントムの戦略は、市場の動向とユーザーの需要分析に強く影響されている。

同社は、巧妙化する脅威に対応するためのセキュリティ機能の強化を重要視している。

ミルマン氏は「攻撃者がますます巧妙になるため、これは終わりのない問題だ」と指摘する。

また、過去の開発者中心のウォレットとは対照的に、洗練された製品作りに時間をかけるデザイン主導の企業である点を強調する。

ウォレット分野での優位な立場は、開発者とユーザー双方からのネットワーク効果や、ブランドと信頼の観点からも大きな価値を持つ。

同社はフィッシング仮想通貨詐欺対策技術を持つ企業を買収するなど、戦略的な動きも見せている。

さらに、Stripeとの提携を通じて米ドルペッグのステーブルコインPhantom Cash(CASH)を開発した。

ミルマン氏は、この提携について「ステーブルコインをすぐに利用できる加盟店網を持つパートナーと組みたかった」と説明した。

ファントムの使命は、当初の「暗号資産(仮想通貨)を誰もが利用しやすくするための優れたウォレットを構築する」ことから、「仮想通貨を活用して次世代の消費者向け金融プラットフォームを構築する」ことへと進化している。

ミルマン氏は「独自のチェーンを立ち上げることは、オープンで自由な仮想通貨の性質に反する」と述べ、既存のエコシステム内で構築していく姿勢を改めて強調した。

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