Perp DEX、月間取引高が初の1兆ドル超え|Asterが市場席巻

無期限先物の分散型取引所(Perp DEX)市場は9月、月間取引高が史上初めて1兆1430億ドル(約168兆円)を突破した。この記録は、分散型デリバティブ市場の急成長を象徴する出来事といえる。
記録的な取引高の背景にある競争激化
DeFiLlamaのデータによると、この数字は8月の7660億ドル(約112.6兆円)から1ヶ月で約50%の増加を示す。1日あたりの平均取引高は約380億ドル(約5.58兆円)に達し、世界の主要な株式市場に匹敵する規模となった。このようなDEXは、一般的な仮想通貨取引所とは異なる特徴を持つ。
Perp DEXは中央集権的な仲介者なしに、ブロックチェーンを活用して有効期限のないデリバティブ商品をレバレッジ付きで取引できるプラットフォームであり、今回の記録は分散型金融(DeFi)インフラの成熟と機関投資家の関心拡大を示すものだ。
この取引高の主な原動力は、主要なPerp DEXプラットフォーム間の競争激化にある。特に、Aster(ASTER)、ハイパーリキッド(HYPE)、Lighterの3つが市場を牽引した。
Asterは月間取引高4936億1000万ドル(約72.56兆円)を記録し、これまで市場を支配してきたハイパーリキッドを抜き、新たなリーダーとなった。複数の報告によると、ハイパーリキッドは2025年8月時点で市場シェアの約80%を占めていたが、Asterの急成長によりその構図は劇的に変化した。
Asterの躍進はトークン発行直後に起こり、バイナンスのチャンポン・ジャオ元CEOによる支援があったとの報道も影響したとみられる。一方、ハイパーリキッドの9月の取引高は2807億4000万ドル(約41.27兆円)と、8月の3980億ドルから29%減少。Lighterは1654億ドル(約24.31兆円)で3位を確保した。
市場の経済的意義と今後の展望
1兆1430億ドルの取引高は、標準的な0.1%の手数料率で計算すると約11億4300万ドル(約1680億円)のプロトコル収益を生み出す可能性があり、この市場セグメントの経済的重要性を裏付ける。こうした成長は、今後の仮想通貨これから伸びる銘柄を探す投資家にとっても注目点となる。
また、この急成長にはedgeX、Pacifica、Paradexといったプラットフォームの活動も寄与している。BNBチェーンを基盤とし、YZi Labsの支援を受けるAsterは独自のZK技術ベースのレイヤー1「Aster Chain」の立ち上げ計画を発表しており、さらなる拡大を目指している。
今回のマイルストーンは、分散型の代替手段が大規模な市場需要に対応できることを証明した。しかし、世界各国の金融当局による規制圧力や、複雑なDeFiプロトコルに内在するセキュリティリスクといった課題も残されている。DeFiデリバティブ市場は、中央集権型取引所にはない透明性や検閲耐性を備えつつ、市場の主役となる可能性を示した重要な転換点といえる。