トヨタがイーサリアム活用|ブロックチェーンで自動運転へ貢献
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私たちは、読者の皆様に対し、完全な透明性を提供することを重要視しています。当サイトの一部のコンテンツにはアフィリエイトリンクが含まれており、これらのリンクを通じて発生した取引に基づき、当社が手数料を受け取る場合がございます。トヨタ・ブロックチェーン・ラボは19日、イーサリアムのブロックチェーン技術を活用した車両向けのMobility-Oriented Account(MOA)設計を検討していると発表した。この構想は、車両にブロックチェーン上のデジタルアカウントを作成し、将来的には完全自動運転の実現を目指すものだ。
トヨタモビリティコンセプトの一環として発表されたこのプロジェクトは、モビリティをブロックチェーン上のスマートアカウントとして捉える試みだ。パブリックブロックチェーンに車両モビリティを導入することで、権利のトークン化が可能となり、車両自体が完全に独立したサービス主体として機能する可能性がある。
同機関は、イーサリアム上のAccount Abstraction標準であるERC-4337に基づいてMOAを設計することを検討している。この設計により、車両のブロックチェーンアカウントは秘密鍵を紛失しても保持され続けるという。
MOAがもたらす革新的な車両管理
MOA設計の特徴は、認証プロセスと鍵管理を分離することにある。これにより、秘密鍵を失っても車両のアカウント自体は保持され、より安全で柔軟なアカウント管理が可能になる。さらに、イーサリアムを活用することで、車両の使用履歴などの情報をより透明かつ効率的に管理できるようになる。
ERC-4337の特徴として、アカウントのデプロイ前にアドレスを決定論的に設定できる点も挙げられる。これにより、既存の車両IDシステムとオンチェーンのアドレスを橋渡しすることが可能になる。
NFTによる車両アクセス権の管理
NFT標準に準拠したキートークンの概念も提案している。このトークンは車両所有者の情報と「使用権」を保持する。
MOAに紐づくNFTとして車両アクセス権を表現することで、NFTの転送だけで権限を管理できるようになる。これにより、ハードウェアを意識することなく「使用権」をデジタルで扱えるようになり、開発者はカーシェアリングなどのサービスをより簡単に実現できる可能性がある。
イーサリアムコミュニティとの連携
同機関は、EIP-7702をはじめとするイーサリアムコミュニティからの新たな提案に期待を寄せている。これは、ブロックチェーン技術の進化と自動車産業の融合に向けた、オープンな協力関係の構築を示唆している。
【未来のモビリティと私たちの生活】
同機関は、2019年にトヨタグループ内に設立されたブロックチェーン専門組織だ。当初はモノや情報のトレーサビリティを主な課題解決領域としていたが、近年は新しい金融やWeb3.0といったテーマからモビリティの未来を研究している。
この革新的なプロジェクトは、私たちの日常生活に大きな変革をもたらす可能性がある。例えば、ブロックチェーンを活用した車両管理システムにより、カーシェアリングサービスの利用がより簡単で安全になるかもしれない。また、自動運転技術との組み合わせにより、移動時間を有効活用できるようになる可能性も高まる。
さらに、NFTを用いた車両アクセス権の管理は、個人間での車の貸し借りを容易にし、新たな経済活動を生み出す可能性もある。これらの技術革新は、私たちの移動手段や都市設計、さらには働き方にまで影響を与える可能性がある。
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トヨタ・ブロックチェーン・ラボの取り組みは、自動車産業におけるブロックチェーン技術の可能性を広げ、より効率的で安全な交通システムの実現に向けた重要な一歩となるだろう。私たちも、これらの技術がもたらす変化に注目し、新たな可能性を探っていく必要がありそうだ。