ソニー、新型レイヤー2チェーンのテストネット公開

SonyグループとStartaleの合弁会社であるSony Block Solutions Labsは28日、次世代イーサリアムレイヤー2(L2)ブロックチェーンのテストネット「Soneium(ソニューム)Minato」を発表した。
ユーザーにとって使いやすいプラットフォームを提供し、ブロックチェーン技術の普及を推進するためのプロジェクトだ。
今後Sonyは自社の広範なリソースを活用して、Web3.0技術の普及と大衆化を図る予定。
さらにOptimismやChainlinkなどの企業がこのプロジェクトのローンチパートナーとして参加し、ゲームのエコシステム拡大を支援する。
新しいL2チェーンの立ち上げ
このチェーンはイーサリアム(ETH)をベースとしており、OPスタック採用の大規模なスーパーチェーンの一部となる見込み。
Sonyは既存の金融サービスとブロックチェーンを組み合わせることで、新しい収益源を生み出そうとしている。
ステーブルコイン発行や取引所買収、トークン化による知的財産の活用など、さまざまな可能性を検討中だ。
ブロックチェーン関連事業の動向
Sonyは2024年、ステーブルコイン開発や取引所の買収など、ブロックチェーン関連事業に積極的に取り組んでいる。
ステーブルコインは有望な事業分野で、発行最大手のテザーは現在976億ドルの米国債を保有し、手数料収入は30日で4億ドルを超えている。
Sonyはこの市場を狙っており、自社のステーブルコインの発行も検討。7月にはアンバージャパンを買収し、ステーブルコイン事業への本格参入に向けて動いている。
ブロックチェーン活用のメリット
Sonyがブロックチェーンを活用するメリットは、シーケンサー(処理順序を制御するコントローラ)収入やトークン発行による収益化だけでなく、自社サービスをチェーン上に移行することで柔軟性が高まることにある。
またロールバック(障害時のデータ巻き戻し)の可能性があるため、ハッキングなどのリスクをコントロールし、知的財産のトークン化により売買を活発にできる。
既存の金融サービスとの連携も可能で、新しい商品の提案や顧客サービスの向上が期待される。
日本のWeb3.0市場への影響
Sonyのようなメジャー企業がブロックチェーン分野に参入することで、日本のWeb3.0市場が活性化し、他企業の参入も促進すると考えられている。
日本には既にゲーム系のチェーンなども存在しており、Sonyの動きによってさらに国内のアプリやサービスがブロックチェーンに対応していく可能性が大きい。
Sonyは既存の金融サービスを保有しているため、Web3.0の発展に貢献できる立場にあり、日本がイニシアチブを取れる機会だ。