ピーター・ティール氏のETHZilla株売却が完了、5ヶ月での撤退

イーサリアム(ETH)
暗号資産アナリスト
監修
最終更新日: 

ペイパルのピーター・ティール共同創業者と同氏が率いるベンチャーキャピタルFounders Fundは17日、2025年12月31日付で暗号資産(仮想通貨)関連企業ETHZillaの保有株を全て売却したことが明らかとなった。

わずか5カ月で完全撤退

ティール氏らは2025年8月、ETHZillaの株式7.5%を取得していた。

同社はもともと180ライフ・サイエンシズ・コーポレーションという名称だったが、イーサリアム(ETH)のトレジャリー運用を主軸とする企業へと転換し、社名を改めた経緯がある。

ティール氏の参入が報じられると、同社株は1日で約90%急騰し、1株あたり約107ドルの最高値を記録した。

今回の売却はSECへの「スケジュール13G」パッシブ申告を通じて報告された。申告書には、他の株主と連携して会社の経営に影響を与える意図はないと明記されている。初回取得からわずか5カ月足らずでの完全撤退となった。

財務悪化が背景に

ティール氏が撤退を決めた最大の要因は、ETHZillaの株価の急落だ。

2025年8月の最高値107ドルから、2026年初頭には3ドル台まで下落し、下落率は約97%に達した。

同時期にビットコイン(BTC)も2024年10月の高値から50%下落するなど、仮想通貨市場全体が逆風にさらされていた。

財務面でも、同社はトレジャリー戦略の根幹を揺るがす動きを余儀なくされた。2025年10月には4,000万ドル相当のイーサリアムを売却し、2億5,000万ドル規模の自社株買いの原資に充てた。

さらに同年12月には、転換社債や優先担保付き社債の返済に充てるため、2万4,291ETHを追加売却。合計で1億1,400万ドル超のイーサリアムを売却したことになり、当初掲げたETH積み上げ戦略とは真逆の展開となった。

なお、ティール氏の直接保有分は2025年11月時点で既に5.6%まで減少しており、完全売却に先立って段階的に持ち分を縮小していたことがうかがえる。

RWAトークン化へ戦略転換

ティール氏の撤退が公表された2026年2月、ETHZillaの株価は時間外取引で5%下落し、年初来の下落率は28%に達した。

一方、ETHZillaは事業の立て直しに向けて動いている。同社はイーサリアムのトレジャリー運用一本足から脱却し、現実資産(RWA)のトークン化に注力する方針を打ち出した。

2026年2月には95件の住宅ローン債権を470万ドルで取得し、レイヤー2ブロックチェーンのアービトラム上でトークン化する計画を発表。目標利回りは年率10.36%としている。

また、SECの規制下にあるプラットフォーム「Liquidity.io」を通じて航空機エンジン2基のトークン化も進めている。

現時点でETHZillaは6万9,802ETHを保有しており、上場企業のイーサリアム保有量ランキングでトップ10に入る。

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