イーサリアム、取引処理の高速化の構想を発表

イーサリアム(ETH)の開発コミュニティは15日、取引確定時間の大幅な短縮を長期的な目標として構想を発表した。
現在約15分かかっている取引確定時間を、将来的には4秒程度まで短縮する可能性が議論されている。
この変更が実現すれば、ユーザーの利便性が大幅に向上し、分散型金融(DeFi)プロトコルの効率化にもつながると期待されている。
イーサリアムの現在の取引確定プロセス
現在のイーサリアムでは、取引の完全な確定(ファイナリティ)までに約15分かかっている。これは以下のプロセスで構成されている。
- スロット:12秒ごとに新しいスロットが開始される。各スロットでブロックが生成される可能性。
- エポック:32個のブロックで1エポックを形成(約6.4分)。
- ファイナリティ:2つのエポックが経過すると取引が確定する(約12.8分)。
この時間は、ネットワークの安全性を確保するために設定されているが、ユーザー体験や一部のアプリケーションの効率性に影響を与えている。
目指す取引確定時間と技術的アプローチ
イーサリアム財団は、将来的に取引確定時間を4秒程度まで短縮することを目指している。この目標を達成するために、以下のアプローチを検討している。
- 単一スロットファイナリティ(SSF):1つのスロット(現在12秒)内で取引を確定させる。
- スロットタイムの短縮:現在の12秒から4秒程度に短縮する。
これらの変更が実現すれば、ユーザーは取引の確定をほぼリアルタイムで確認できるようになる。
実現に向けての課題と展望
しかし、この大幅な時間短縮には技術的な課題が存在する。特に以下の点が懸念されている。
- ネットワーク遅延:世界中の検証者(バリデーター)が迅速に反応する必要がある。
- セキュリティの維持:確定時間の短縮がネットワークの安全性に与える影響の検証。
- スケーラビリティ:多数の検証者の署名を短時間で処理する方法の確立。
イーサリアム財団は、これらの課題を慎重に検討しながら、最適な解決策を模索している。具体的な実装時期は明らかにされていないが、段階的なアプローチを取る可能性が高い。
取引確定時間の大幅な短縮が実現すれば、イーサリアムはより高速で効率的なブロックチェーンプラットフォームとなり、多くのユーザーや開発者にとって魅力的な選択肢となるだろう。
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