ナスダック上場のDeFi企業、50億ドル調達でソラナ取得加速へ

米ナスダック上場のDeFi Development Corp(DFDV)は12日、投資会社RKキャピタルと50億ドルの段階的資金調達契約を締結した。
同社はソラナ(SOL)の積極的な買い増しを目的とする米国初の上場企業として知られる。調達資金は1株当たりSOL保有量の増加に充てられる。
柔軟な資金調達戦略を採用
DFDVが採用したエクイティ・クレジットラインは、従来の一括株式発行とは異なり、市場状況に応じて段階的に資金調達を行える仕組みだ。
同社は最大50億ドル分の普通株式をRK Capitalに売却する権利を得るが、義務ではない。
同社のジョセフ・オノラティCEOは「スケールに必要な柔軟性と構造を手に入れた」と述べ、1株当たりSOL成長とバリデーター収益の複利運用を継続するクリーンで戦略的な道筋と評価した。
この契約の実行にはSECへの登録届出書提出が必要で、同社は可能な限り早期の提出を予定している。同社は11日にも過去の未登録発行証券に関するForm S-1を提出済みだ。
ソラナ特化戦略で差別化
DFDVは財務戦略の中核にソラナの蓄積と複利運用を据える米国初の上場企業だ。
5月時点で同社は60万9190 SOLを保有し、上場企業として最大のソラナ保有量を誇る。保有額は現在価格で約1億700万ドルに達する。
同社はSOL保有にとどまらず、独自のバリデーター・インフラを運営してステーキング報酬と委託ステーク手数料を獲得している。
また分散型金融プロトコルにも積極的に参画し、ソラナエコシステムの成長から直接的な利益を得る体制を構築している。
6月には独自のリキッド・ステーキング・トークンのdfdvSOLをRateXやExponentといったソラナネイティブプラットフォームに統合し、利回り創出機会の拡大を図った。
市場の反応と今後の見通し
12日の発表を受けてDFDV株は約20%上昇し、31.56ドルで取引を終了した。週間では100%を超える大幅上昇を記録している。
一方でソラナ価格は発表後に10%下落し、142ドル付近で推移している。ビットコイン(BTC)も含めた新しい暗号資産(仮想通貨)市場全体の調整局面が影響したとみられる。
DFDVの戦略は、企業がビットコインを準備資産として保有する動きと類似しているが、ソラナエコシステムへの深い統合により差別化を図っている点が特徴的だ。
今回の大型資金調達により、同社のソラナ集積戦略は新たな局面に入る。