Astar zkEVM、3月31日にサービス完全終了|引出しは30日まで

レイヤー2イーサリアムネットワークのAstar zkEVMは28日、2025年3月31日にサービスを完全終了すると発表した。
当初の終了予定日である4月1日から1日前倒しとなった今回の措置により、ユーザーは3月30日までにすべての資産をネットワークから引き出すよう求められている。期限を過ぎると資産喪失のリスクが生じるため、早急な対応が必要だ。
資産引き出しの期限と対象通貨
対象となる資産はASTR、イーサリアム(ETH)、ダイ(DAI)、マティック(MATIC)、USDコイン(USDC)、テザー(USDT)、ラップドビットコイン(WBTC)、wsETHなど。
これらの暗号資産(仮想通貨)はAstar Portalを通じてイーサリアムや他の対応チェーンにブリッジする形で引き出しが可能となっている。3月31日以降は引き出しや流動性の回収が不可能になるため、期限内の対応が必須となる。
Astar Network Japan公式Xアカウントは「ネットワーク停止後はすべてのアセットの引き出しと流動性の解除が行えなくなる」と警告しており、ユーザーに対して迅速な行動を促している。
ソニーとの連携による「Soneium」への移行
今回のシャットダウンは、Astar zkEVMを「Soneium」へ移行する計画の一環だ。SoneiumはソニーグループとStartale Groupの合弁会社であるSony Block Solutions Labsが開発したブロックチェーン。
この戦略的パートナーシップにより、ソニーの広範なユーザータッチポイントを活用し、Web3技術をより幅広い層に展開することを目標としている。エンターテインメント、ゲーム、金融、家電などの分野におけるソニーの経験を統合することで、アスターのエコシステム強化を図る狙いがある。
Astar zkEVMの技術的背景と近況
Astar zkEVMはポリゴンのChain Development Kit(CDK)を活用して運用されており、ゼロ知識証明によるスケーラビリティ向上などの機能を提供してきた。
近年、Astar zkEVMはイーサリアムの「リオーグ」に起因するロールバック問題など技術的な課題に直面していた。一部のトランザクションが一時的にキャンセルされる事態も発生したが、アップデートによって解決され、最終的なシャットダウン決定前にネットワークの安定性は回復していた。
Startale Groupが開発したこのレイヤー2ソリューションは、その技術的特性にもかかわらず、ソニーとの新たなパートナーシップに基づく戦略的判断により終了することとなった。
ユーザーは3月30日までに資産移行を完了させ、今後展開されるSoneiumへの対応を検討することが推奨される。ソニーのグローバルな影響力を活かした新しい仮想通貨エコシステムの展開に注目が集まる。
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