米Better、担保ビットコインを最長30年拘束|再利用も可能に

米国のデジタル住宅ローン貸出企業ベターモーゲージは6日までに、住宅ローンの担保として預かったビットコイン(BTC)を別の取引に再利用できることを明らかにした。
担保掛目は250%で、価格が下落しても追証は発生しない仕組みとなる。一方で担保は最長30年拘束され、借り手は主要な住宅ローンを完済するまで取り戻せない。
追証なし、清算は延滞から60日後
両社の発表によると、借り手は決済時に2本のローンを組む。第1順位はファニーメイ準拠の適合ローンで、頭金を賄う暗号資産担保ローンがその横に並ぶ。
掛目は250%から始まる。50万ドルの住宅を買う場合、25万ドル分のビットコインを差し入れて10万ドルの頭金を賄う計算になる。
一般的な暗号資産担保ローンと違い、価格の下落そのものは追証や追加担保の要求、自動売却の引き金にならない。担保の価値が頭金ローンを下回っても、清算が動くのは支払いが延滞したあとだけとなる。
延滞が起きた場合、同社は借り手への通知から60日で担保を清算できる。ただし売却するのは、債務を返済して口座を正常な状態に戻すのに必要な分だけになる。
滞納から180日が経つと、ファニーメイのガイドラインに沿って差し押さえが始まる場合がある。差押売却の代金は適合ローン、頭金ローンの順に充てられ、残額が借り手へ渡る。
担保は最長30年拘束される
拘束の長さがこの商品の分かれ目となる。借り手は頭金ローンだけを先に返しても、ビットコインを回収できない。
担保が解放されるのは、適合ローンが完済されるか借り換えられたときになる。借り換えや売却をしなければ、15年から30年の返済期間を通じて拘束が続く。住宅を売る場合も、解放の前に頭金ローンの返済が必要となる。
そのうえで同社は、同等量を返せる状態を保つことを条件に、預かった担保を再質入れできると開示している。借り手に約束されているのは同じコインの返還ではなく、終了時に同量を受け取る権利にすぎない。
この設計は、FTXの破綻後に業界が進めてきた検証可能な準備金の流れとは逆を向く。借り手は数十年先まで、仲介業者の返還能力に依存することになる。
同社は契約とカストディの取り決めが破産法を含む適用法令に準拠していると説明した。一方で、借り手ごとのビットコインを個別に識別できるのか、同社や資金調達先が破綻した場合に借り手が所有権を保てるのかについては明らかにしていない。