米カナリー、TRXの現物ステーキングETFをCBOEに初上場

米国の資産運用企業カナリー・キャピタルは9日、トロンの基軸通貨TRXを対象にしたステーキング型の現物ETFを立ち上げた。
ティッカーはTRXSで、CBOEに上場し、運用開始は8日付となる。運用資産の約9割をステーキングに回し、得た報酬を基準価額へ組み入れる仕組みを取る。
運用資産の9割をステーキングへ回す
同社のファンド情報によると、スポンサー報酬は年1.10%にあたる。デジタル資産の保管はビットゴー・トラスト・カンパニー、現金の保管は米銀行のU.S.バンク・ナショナル・アソシエーションが担う。目論見書は同社サイトで公開されている。
運用開始時点の純資産は5025万ドル、発行済みの口数は201万口で、1口あたり25ドルとなる。基準価額との乖離は生じていない。
ステーキングの実行は検証者ノード運営企業ルガノーズが担い、対象は資産の約9割となる。ファンドはトロンが採用する委任型プルーフ・オブ・ステークの検証に加わり、追加のTRXを得る形を取る。
報酬の渡し方は現物の保有と異なる。投資家へ直接分配せず、差し引き後の報酬を日々の基準価額の計算へ組み入れる。ファンドは1940年投資会社法に基づく登録を受けていない。
トロン上のUSDTは940億ドルに達する
トロンのネットワークは、2026年9月時点で累計の利用者アカウントが4億300万、累計の取引が150億件、預かり資産が280億ドルに達する。チェーン上で流通するUSDTは940億ドルで、年初からの送金額は5兆6000億ドルとなる。
投資家の手元での扱いも変わる。現物のTRXを仮想通貨の買い方に沿って自分で持つ場合と違い、ETFは証券口座で売買する形になる。報酬を受け取るのがファンド側になる点でも、現物を保有して報酬を得る形とは暗号資産の税金の前提が分かれる。
カナリー・キャピタルは、私募のファンドやヘッジファンド、法人の資金管理向けの商品も手がける。今回のTRXSは、そのうち上場商品の一つに加わった。
トロンの創設者であるジャスティン・サン氏は、同ネットワークが世界のデジタル経済の基盤として認識されつつあると述べた。同社は米国で初となるTRXのステーキング型現物ETFと説明している。