米SEC、ステーブルコインの資本要件を100%→2%に緩和へ

米証券取引委員会(SEC)は19日、ブローカー・ディーラーの純資本規則における決済用ステーブルコインへの割引率を2%に引き下げるスタッフガイダンスを公開した。
従来は事実上100%の割引率が適用されており、金融機関にとってステーブルコインの活用は資本効率の面で大きな障壁となっていた。
今回の指針により、主要なステーブルコインの保有額98%を規制資本として計上できるようになる。
ヘアカット2%でMMFと同等の扱いに
SECの公式声明によると、今回の変更は取引・市場部門が発行したFAQを通じて示されたもので、正式な規則改正ではなくスタッフレベルの解釈にとどまる。
ヘスター・パース委員は、決済用ステーブルコインの裏付け資産が米ドルや短期米国債で構成されていることを踏まえると、100%の割引率は過剰な罰則だったと指摘した。
2%というヘアカットは、同様の資産を保有するマネー・マーケット・ファンド(MMF)に適用される水準と一致する。
例えば、10億ドルのステーブルコインを保有する場合、従来は同額以上の資本準備が必要だった。
新たな指針の下では2000万ドルの資本要件で済む計算となる。
暗号資産(仮想通貨)のステーブルコインを短期国債と同等に位置づけることで、金融機関がトークン化証券など幅広い業務に活用しやすくなる環境が整う。
ウォール街の機関参入を後押し
これまで厳しい資本要件が壁となり、ウォール街の金融機関にとってステーブルコインの実務活用は経済的に困難だった。
現在、USDTなどステーブルコインの年間取引額は11兆3000億ドルに達しており、企業間決済や国境を越えた送金での利用が拡大している。
パース委員は今後、正式な規則改正に向けて市場参加者からの意見募集も行うと述べた。
ただし今回はスタッフガイダンスにとどまるため、GENIUS法の成立状況など今後の法整備の動向によって内容が変わる可能性もある。