VISA、ステーブルコイン基盤「BVNK」へ戦略的投資を発表

世界的な決済大手VISA(ビザ)は7日、ロンドンに拠点を置くステーブルコイン基盤企業「BVNK」への戦略的投資を発表した。
VISAの投資とBVNKの成長背景
VISAは、BVNKのシリーズB資金調達ラウンドに続き、約200万ユーロを3月に出資した。
BVNKはステーブルコインを活用した決済インフラとウォレットソリューションを提供する企業であり、2024年12月にはおよそ3600万ドルの新規資金を調達している。
BVNKは年間120億ドル規模のステーブルコイン取引を処理している。また、ニューヨークやサンフランシスコにも拠点を構え、米国市場への展開を強化している。
米国内では18州でマネートランスミッターライセンス(送金業務に必要な許認可)を取得している。さらに、フェラーリやRapydなど著名企業にもサービスを提供している。
VISAの戦略とステーブルコインの広がり
VISAは今回の投資を通じ、ブロックチェーンおよびステーブルコイン技術を既存の決済ネットワークへ統合する戦略をさらに推し進めている。
米国における規制の進展や国際的なステーブルコインへの関心の高まりを背景に、事業間決済の効率化とコスト削減を目指している。
最近では、VISAがStripe(ストライプ)傘下のBridge(ブリッジ)と提携し、ラテンアメリカでステーブルコイン決済サービスを展開するなど、世界各地で新たな決済手段への対応を強化している。
VISAのグロースプロダクト&パートナーシップ部門責任者は、「BVNKのような企業への投資が、世界的な商取引イノベーションの最前線に立つために重要だ」と述べている。
金融サービス業界の変化と今後の展望
BVNKは、グローバルでのステーブルコイン取引額が2024年に2兆7000億ドルに達したと推計している。この数値は、ステーブルコイン活用の急拡大を示すものである。
VISAの提携や投資により、フィンテック企業はカードネットワークと連携したステーブルコイン決済機能を導入しやすくなり、消費者向け決済の利便性が高まる見通しだ。BVNKの企業価値は約6億2500万ドルとされ、投資家からの期待も大きい。
大手決済企業とステーブルコイン基盤企業の協業は、金融業界が暗号資産(仮想通貨)ネイティブな決済ソリューションを受け入れ始めた動きとして注目される。将来的には、さらなる新しい仮想通貨が幅広い金融サービスに取り入れられる可能性がある。
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