ハイパーリキッド、月間35兆円達成|HYPE上場で78%急騰

分散型デリバティブ取引所のハイパーリキッド(HYPE)はこのほど、5月の月間取引高が過去最高の2484億ドル(約35兆7696億円)に達した。
DeFiLlamaのデータによると、同プラットフォームは4月の1870億ドル、3月の1750億ドルを大幅に上回る実績を記録した。
同期間には取引手数料とティッカーオークション手数料により7045万ドルの収益も獲得し、こちらも過去最高となった。
HYPEトークンのバイナンス上場が取引活動を促進
取引高急増の主要因として、ハイパーリキッドのネイティブトークンであるHYPEのバイナンス先物への上場が挙げられる。
バイナンスは最大75倍のレバレッジを提供し、投機的な取引活動と短期的なボラティリティを誘発した。
HYPEの価格は5月に78.33%上昇し、エアドロップファーミングや大口投資家による大量買い付けが取引量の増加を後押しした。
このような動きは、暗号資産(仮想通貨)市場全体の活況を反映している。
5月30日には24時間で12.3%上昇し、0.95ドルに達する場面もあった。
規制当局との連携が投資家の信頼向上に寄与
ハイパーリキッドは商品先物取引委員会(CFTC)などの規制当局との積極的な対話を進めており、この取り組みが投資家の信頼向上につながった。
規制対応への前向きな姿勢により、HYPEトークンの価格は15%上昇する場面もあった。
また、JumpやHRTといった大手マーケットメーカーがプラットフォーム上で数十億ドル規模の取引を行うなど、機関投資家の参加も拡大している。
ただし、デリバティブ取引量は全体の取引活動の2%未満にとどまっている。
今回の記録的な実績は、ハイパーリキッドの手数料構造の効率性を示している一方で、投機的活動への依存により短期的な調整リスクも抱えている。
株式市場などの従来の金融市場で、投資家が積極的にリスクを取ってでも利益を追求しようとする楽観的な雰囲気が強まったことも、市場全体の盛り上がりに貢献したと考えられる。