カルダノ、144億円の準備金をBTCとステーブルコインに転換か

カルダノのチャールズ・ホスキンソン創設者は13日、プロジェクトの準備金から1億ドル相当のエイダコイン ADA +1.45%をビットコイン
BTC +0.66%とステーブルコインに転換する構想を明らかにした。
この動きは、カルダノエコシステムの資産基盤を多様化し、強化することを目的としている。
ホスキンソン氏は、TVLに対するステーブルコインの比率が現在10%と低い点を問題視しており、この状況がカルダノを殺していると強い懸念を示した。
エコシステムの金融基盤強化が狙い
今回の提案の背景には、カルダノのDeFiエコシステムにおけるステーブルコインの不足がある。
カルダノのTVLが3億5600万ドルであるのに対し、ステーブルコインはわずか3100万ドルにとどまる。
この比率は、イーサリアムの190%、ソラナの110%と比較して著しく低い水準だ。
ホスキンソン氏は、ビットコインやカルダノ基盤のステーブルコインを導入することで、DeFiプロトコルの流動性を高めることを目指す。
さらに、これらの資産から得られる収益で政府系ファンドを設立し、長期的なエコシステムへの再投資に充てる計画も示した。
これにより、ADAの発行に依存しない新たな収益源を確保し、プロトコルの財務的な安定性を向上させる狙いがある。
市場への影響とコミュニティの反応
1億ドル相当のADA売却案に対して、市場からは価格への影響を懸念する声が上がっている。ADAの現在の価格は0.63ドルで、史上最高値の3.10ドルから大きく下落しているためだ。
しかし、ホスキンソン氏はこの懸念を一蹴した。同氏は、売却を30日から90日かけて段階的に行うことで、価格変動を0.5%未満に抑えられると試算している。
また、カルダノが持つ強固な流動性と取引所への上場実績が、大規模な取引を吸収できると強調した。
この提案は現在、ホスキンソン氏のファミリーオフィスを含む経営陣やコミュニティ関係者によって検討されている段階だ。
実現すれば、ステーブルコインの対TVL比率を30〜40%まで引き上げ、他の主要なDeFiハブと競合できる体制を整えることになる。
エコシステムの健全性とコミュニティの感情との間で、バランスの取れた判断が求められる。