野村HD傘下、Seiブロックチェーンで投資ファンドをトークン化

野村ホールディングス傘下のLaser Digitalは22日、同社が運用する投資ファンドをブロックチェーン技術でトークン化したと明らかにした。
この動きは、ブロックチェーンインフラのカイオによって公表された。
トークン化には、高速処理とスケーラビリティに優れたSeiブロックチェーンが活用されており、金融アプリケーション向けの安定した基盤として採用された。
トークン化されたのは、Laser Digitalが運営する分離ポートフォリオ会社、Laser Digital Funds SPCに属するLaser Carry Fund(LCF)だ。
LCFは、デジタル資産市場の金利差とステーキング利回りを組み合わせ、価格変動の影響を抑えつつ安定したリターンを目指すファンドである。
機関投資家の関心と技術的利点
LCFは2025年1月に機関投資家向けに開始されていた。
Laser Digitalは、日本の大手投資銀行である野村グループのデジタル資産部門だ。
野村グループの運用資産額は6460億ドル(約99兆円)に上る。
今回のトークン化は、ブロックチェーン技術を伝統的な金融サービスに統合する同社の広範な戦略の一環となる。
現実資産(RWA)のトークン化は、金融業界で大きな注目を集めている。
背景には、デジタル資産やブロックチェーン基盤の金融商品に対する機関投資家の関心の高まりがある。
ブラックロックのような大手金融機関もすでにこの分野に参入している。
今回基盤として採用されたSeiブロックチェーンは、高速なファイナリティとスケーラブルな設計といった技術的利点を持つ。
これにより、高い処理能力と信頼性が求められる金融アプリケーションの要件を満たすことが可能だ。
また、規制環境の整備も伝統的な金融機関によるデジタル資産分野への参入を後押ししている。
Laser Digital自身も、日本の金融庁に対して仮想通貨交換業者としての登録申請を準備中である。
カイオは「Sei上のトークン化されたLCFファンドは、急速に成長するRWAエコシステムをさらに拡大する」と述べている。
加速する伝統金融とブロックチェーンの融合
カイオは、機関投資家向けのトークン化プラットフォームとして地位を確立しつつある。
同社はこれまでにもブラックロックやブレバン・ハワードの機関投資家向けファンドをトークン化し、規制に準拠した形でオンチェーンで提供してきた実績を持つ。
特に、今回の発表のわずか2週間前である10月8日には、ブラックロックのICS米国ドル流動性ファンドなどを含むトークン化されたRWAファンドをSei上で立ち上げている。
これは、伝統金融におけるブロックチェーンインフラの採用が加速していることを示す事例だ。
Laser Digitalも積極的にデジタル資産の提供を拡大している。
2025年9月にはビットコイン(BTC)導入ファンド、同年11月にはイーサリアム(ETH)導入ファンドをそれぞれ機関投資家向けに公表した。
Sei開発財団も22日にこのローンチを認め、「この動きは急成長するRWAエコシステムをさらに広げるものだ」とコメントした。
今回の取り組みは、野村が2020年3月に公表した日本初のデジタルアセットボンドに続く、伝統金融とブロックチェーン技術の融合における新たな一歩となる。
一連の動きは、伝統的な金融機関がWeb3時代に適応しようとする大きな流れの一部と見なすことができる。