ブータン政府が115億円のビットコイン送金|売却の可能性は?

ブータン政府系投資会社のDruk Holding & Investments(DHI)は17日、保有するビットコイン(BTC)を複数のアドレスへ送金した。
同社は2日間にわたり、7230万ドル相当となる973 BTCを移動させた。
このうち4440万ドル相当の596 BTCは、所有者不明の2つのアドレスに送られている。
また、152万ドル相当の20.5 BTCは機関投資家向けの取引プラットフォームであるQCPキャピタルへ送金された。
国営マイニングによる保有資産の動向
ブータン政府は2019年頃から、国内の余剰な水力発電を活用して国営のマイニング事業を展開してきた。
国内の需要を上回る再生可能エネルギーを利用してビットコインを獲得する独自の戦略をとっている。人工衛星の画像からは、国内に少なくとも4つのマイニング施設が存在することが確認されている。
同国の仮想通貨保有量は、2024年10月に1万3295 BTCのピークに達した。
しかし、2026年初頭の時点では約5400から5600 BTCまで減少している。これはピーク時の評価額から約58%の減少にあたる。
計画的な財務管理と市場への影響
ブータン政府は保有資産を一度に大量売却するのではなく、計画的な財務管理を行っている。市場の混乱を避けるため、1回の取引あたり500万から1000万ドルの小口に分けて売却を進めている。
パニック売りではなく、QCPキャピタルなどを通じて慎重に流動性を確保する姿勢がうかがえる。
2024年の半減期を経てマイニングの収益性が低下したことも、こうした財務戦略に影響を与えたとみられる。
2026年に入ってからの資金移動は1億1000万ドルを超えており、インフラ整備などの経済政策に必要な資金を確保する目的があると考えられる。
同国は仮想通貨を投機目的ではなく、外貨準備や流動性の緩衝材として扱っている。
過去の取引データによると、同社はバイナンスなどの取引所を頻繁に利用してきた。現在もブータンは世界第6位の国家保有国であり、約3億7400万ドル相当の資産を管理している。
一連の送金にもかかわらず、ビットコイン価格は7万2000ドル付近で安定して推移している。