Circle社CEO、ステーブルコインに「iPhone革命」到来と予言

ステーブルコイン発行大手CircleのCEOジェレミー・アレール氏は14日、ステーブルコインが間もなくiPhoneの瞬間を迎えると予測した。
アレール氏は、現在の状況について「インターネット上のプログラム可能なデジタルドルの力と機会を開発者が認識する時期はまだ到来していないが、非常に近づいている」と述べている。
大手企業が続々と導入検討
ステーブルコインの普及を後押しする動きが大手企業で相次いでいる。
Eコマース大手のShopifyは12日、コインベース、ストライプと提携し、Circle社のUSDCステーブルコインを決済手段として受け入れると発表した。
6月13日から限定された早期アクセス加盟店での試行が開始され、年内に全世界のShopify Paymentsを利用する数百万の店舗に拡大予定となっている。
ウォルマートやアマゾンも、独自の米ドル連動型ステーブルコインの発行を検討していると報じられている。
ステーブルコインが注目される背景には、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)といった従来の暗号資産(仮想通貨)の価格変動性がある。
これらの新しい仮想通貨は投資対象としては魅力的だが、日常的な決済手段としては不安定さが課題となっていた。
開発者主導の金融革命が始動
アレール氏の発言の背景には、開発者がステーブルコインの可能性を本格的に活用し始めるという期待がある。
プログラム可能な通貨としてのステーブルコインは、低コストで国境を越えた金融アプリケーションの構築を可能にする。
Shopifyとコインベースが共同開発したCommerce Payments Protocolは、この変革を象徴する取り組みとなっている。
同プロトコルは、従来のP2P送金にとどまらず、商取引に必要な複雑な多段階決済フローをブロックチェーン上で実現する。
税額確定、払い戻し、遅延キャプチャなど、既存の決済システムが持つ標準機能をスマートコントラクトで実装している。
データサイエンティストのダレン・マツオカ氏によると、ステーブルコインは過去1年間で33兆ドルの取引量を処理しており、これはペイパルの約20倍、Visaの約3倍に相当する規模となっている。