医療系企業Semler、ビットコインを主要資産に|10万BTC目標

医療技術企業のSemler Scientificは18日、同社が保有するビットコイン(BTC)の目標を大幅に引き上げ、2027年までに10万5,000BTCへ拡大する計画を明らかにした。
この計画は、同社が暗号資産(仮想通貨)を財務戦略の重要な柱と位置づける方針転換を明確に示すものだ。同社は最近、ビットコインを準備資産として購入し始めており、今回の発表はそれをさらに加速させる意欲的な目標となる。
ビットコインを主要準備資産へ
Semler Scientificは、ビットコインを「信頼できる価値の保存手段」であり、世界的なマクロ経済の不安定性に対する有効なヘッジ手段と見なしている。同社は、ビットコインが法定通貨の価値が継続的に希薄化する中で、資本を保護する合理的な選択肢であると分析している。
この動きは、企業が主要な準備資産としてビットコインを大量に保有する先駆者であるストラテジー社の戦略を彷彿とさせる。伝統的な事業を行う企業が、バランスシートを強化し、株主価値を向上させるために仮想通貨を活用する新たな事例として注目される。
同社の経営陣は、ビットコインへの資産配分が、同社の主要事業である医療診断ソリューションの開発・販売と並行して、長期的な価値創造に貢献する可能性があると判断した。
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1兆円規模の目標達成に向けた資金計画
この野心的な目標を達成するため、同社は複数の資金調達手段を駆使する計画だ。具体的には、株式発行、債務による資金調達、そして既存事業から生まれる営業キャッシュフローを柔軟に組み合わせて、ビットコインの購入資金に充てる方針を示している。
現在の市場価格で換算すると、10万5,000BTCは約1兆円に迫る規模となる。この計画の実現は、同社の財務構造を根本的に変え、企業価値に大きな影響を与えるポテンシャルを秘めている。
Semler Scientificのこの大胆な戦略は、他の上場企業がデジタル資産をどのように自社のポートフォリオに組み込むかを検討する上で、重要な試金石となるだろう。
市場関係者は、同社の今後の資金調達の進捗と、それがビットコイン市場に与える影響を注視している。このような企業の動きは、ビットコインだけでなく、他のアルトコイン市場にも影響を及ぼす可能性があるため、投資家の関心を集めている。