FTX、3ACの約2233億円請求に異議申し立て|法廷闘争へ

経営破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの破産財団は20日、同じく破綻したヘッジファンドのスリー・アローズ・キャピタルが提出した15億3000万ドル(約2233億8000万円)の請求に対し、全面的に棄却するよう裁判所に申し立てた。
FTXの弁護団は、スリー・アローズ・キャピタルの損失は市場の価格変動と、同社自身の資金引き出しに起因するものであり、FTXの行為によるものではないと主張している。
この申し立ては、両社の破産手続きにおける新たな火種となっている。
請求額を巡る対立とFTXの反論
スリー・アローズ・キャピタルは当初、1億2000万ドルの請求を提出していた。
しかしその後、FTXが破綻直前にスリー・アローズ・キャピタルの資産15億3000万ドル相当を清算したとして、請求額を大幅に増額した。
これに対しFTX側は、スリー・アローズ・キャピタルの主張を強く否定している。
FTXによると、当時のスリー・アローズ・キャピタルの口座価値は、7億3300万ドルの証拠金負債を含めると、わずか2億8400万ドルだった。
FTXが6月に提出した94ページにわたる異議申立書では、スリー・アローズ・キャピタルの請求は不合理で支持できないと指摘されている。
具体的には、損失のうち2億2200万ドルは価格下落によるもので、6000万ドルはスリー・アローズ・キャピタル自身が引き出した資金だと主張した。
スリー・アローズ・キャピタルがレバレッジ関連の負債を無視し、不当に請求額を水増ししていると非難した。
こうした価格の変動は、ビットコイン(BTC)をはじめとする市場全体の動きと連動していた側面もある。
裁判所の判断と他の債権者への影響
デラウェア州の連邦破産裁判所は3月13日、FTXの反対を退け、スリー・アローズ・キャピタルが請求額を修正することを許可した。
裁判所は、スリー・アローズ・キャピタルが提出した新証拠が根底にある争点に関連していると判断し、厳格な提出期限よりも公正さを優先した形だ。
この決定は、他の債権者に大きな影響を及ぼす。
FTXのルイス・ドリニーCFOは、スリー・アローズ・キャピタルの請求が認められれば、破産財団の負債が20%増加し、他の顧客や債権者への返済額が減少すると警告している。
このような大手取引所の破綻は、多くの資本家にとって安全な仮想通貨取引所おすすめの選定基準を改めて考える機会となった。
今回の法廷闘争は、仮想通貨プラットフォームとレバレッジを多用する取引会社との間の緊張関係を浮き彫りにした。
FTXは、破綻前にスリー・アローズ・キャピタルに対してリスクに関する公正な警告を行っていたと強調している。