米サークル、シンガポール決済企業タザペイを4億ドルで買収へ

米国のステーブルコイン発行企業サークルは8日、シンガポールの越境決済企業タザペイを買収する契約を結んだ。
対価は4億ドル相当のサークル株式で、現金は使わない。タザペイは年換算で250億ドルを超える決済を扱っており、USDCの決済網を広げる狙いに置かれる。
対価はすべて株式、8%を後払いで留保する
サークルが米証券取引委員会へ提出した届出によると、買収は子会社タウラス・アクイジションを通じて実施される。対価の総額は4億ドルを基準に置き、対象会社の負債や取引費用、手元現金で増減する。
株式数の決め方も定めた。クロージング前の20営業日の出来高加重平均株価で基準額を割り、端数を切り捨てて算出する。株価が動けば渡す株数が変わる形になる。
支払いの一部は後払いに回る。5%は補償の担保として6カ月・12カ月・18カ月の3回に分けて解放され、3%はさらに12カ月から48カ月にかけて四半期ごとに渡る。タザペイの従業員には2500万ドル分の譲渡制限付株式が別枠で割り当てられ、27カ月を超える期間で四半期ごとに権利が確定する。
決済額の6割はすでにステーブルコインが絡む
タザペイは2026年7月31日時点で年換算250億ドルを超える決済を処理し、60社を超える銀行やフィンテックと提携する。100を超える市場で現地の支払い経路を持ち、決済額のおよそ60%にはすでにステーブルコインが絡む。
両社の関係は数年前にさかのぼる。サークルはタザペイのステーブルコイン事業で初期の提携先となり、シリーズBの追加調達ではリード投資家を務めた。タザペイは2025年、サークルの決済ネットワークで初期の設計パートナーにも入っている。
ステーブルコインの市場ではテザー(USDT)が最大手にあたり、USDCはこれを追う立場にある。決済に回る暗号資産(仮想通貨)は限られ、仮想通貨の種類ごとに用途の分かれ方が鮮明になってきた。
取引の完了は2027年を見込む。シンガポール金融管理局の承認を含む規制当局の許可のほか、指定された従業員の75%以上が在籍を続けること、経営陣が雇用関係を保つことが条件に入る。共同創業者兼最高経営責任者のジェレミー・アレール氏は、ステーブルコインの決済が世界経済の中核インフラになりつつあると述べた。