ビットコイン、9万ドル台へ下落か｜新しい仮想通貨が防衛策に

暗号資産（仮想通貨）取引所BitMEXのアーサー・ヘイズ共同創設者は3日、米連邦準備制度理事会（FRB）のジャクソンホール会議を前に、ビットコイン（BTC）のボラティリティが短期的に高まる可能性を指摘した。

同氏は、ビットコインの価格が一時的に下落する可能性があると分析している。この見解は、米財務省による資金口座の補充が市場の流動性に影響を与えるとの観点に基づいている。

TGA補充がもたらす流動性懸念と新しい仮想通貨市場への影響

ヘイズ氏の分析の中心は、米財務省が実施する一般会計口座（TGA）の補充計画にある。米財務省は7月中旬までにTGAを8500億ドルまで補充する予定だ。

この過程で、市場から最大4860億ドルの流動性が吸収される可能性がある。この流動性の引き締めは、ビットコインなどのリスク資産に圧力をかける恐れがある。

ヘイズ氏は、こうした影響によりビットコイン価格が9万ドルから9万5000ドルの範囲まで下落する可能性を示した。同氏はまた、現在の市場環境を歴史的な夏の閑散期になぞらえている。

明確なマクロ経済の方向性が示されるまで、市場は横ばいか下落傾向が続くと見られる。この期間中に利益確定売りや、参加者の退出が進むことで調整が加速する可能性が指摘されている。

ジャクソンホール会議後の展開と新しい仮想通貨の未来

こうした見通しを受け、ヘイズ氏率いるMaelstromはポートフォリオの調整を進めている。リスク軽減のため、流動性の低いアルトコインのポジションはすべて解消した。

市場が大幅な下落圧力にさらされる場合、ビットコインへのエクスポージャーをさらに減らす可能性もある。

一方、ヘイズ氏は約36％の価格調整が強気相場サイクルでは典型的との見解を示す。この調整は、本格的な上昇ラリーの前に弱い参加者をふるい落とす健全なプロセスだと分析している。

市場の回復の鍵は、8月に開催されるジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の発言にある。

ここで金融緩和を示唆するハト派的なシグナルが出れば、強気の勢いが戻る可能性が高い。逆に、TGA補充の影響が大きい場合、市場の停滞は9月上旬まで続くかもしれない。

執筆時点で、ビットコインは約10万9000ドル付近の価格帯で取引されており、短期的な警戒感が広がっている。ヘイズ氏は、規制された銀行発行のステーブルコインが実質的な量的緩和として機能し、最終的にビットコインなどの資産に恩恵をもたらすとの長期的視点を示している。

ビットコイン価格に連動する新しい仮想通貨

こうした市場の不確実性の中でも、長期的成長を見据えた新しい仮想通貨に注目が集まっている。特に、ビットコインの長期上昇の恩恵を享受しながらリスクを分散できる革新的なアプローチが登場している。

その代表格は、イーサリアムを基盤とするBTC Bull Token（BTCBULL）だ。

このプロジェクトは、ビットコインの価格上昇と直接連動する独自の報酬メカニズムを持つ。ホワイトペーパーによると、ビットコインが15万ドルや20万ドルといった特定の目標価格を達成するたびに、トークン保有者にビットコインがエアドロップされるという画期的な報酬システムを採用している。

BTC Bull Tokenは、ビットコイン価格が特定水準に到達するとトークンの一部を焼却（バーン）するデフレメカニズムを備えている。これにより供給量が減少し、希少価値が高まる設計となっている。

さらに、現在51％という高い年間利回りを提供するステーキング機能もあり、長期保有者にとって魅力的なインセンティブとなっている。

この新しい仮想通貨は現在先行トークン販売の最終段階にあり、これまでに総額800万ドルを超える資金を調達するなど、市場から大きな期待を集めている。

先行トークン販売終了後は取引所への上場も予定され、ビットコインの次の強気相場に備えるため、ポートフォリオの多様化を狙う投資家にとって新たな選択肢となる可能性がある。

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