米上院議員、Metaのステーブルコイン計画に公式書簡を送付

米国のエリザベス・ウォーレン上院議員らは11日、Metaのマーク・ザッカーバーグCEOに対し、同社のステーブルコイン開発計画の詳細を明らかにするよう求める公式書簡を送付した。
この動きは、MetaがFacebookやInstagramなどのプラットフォームでステーブルコイン決済の導入に向け、サークル社やテザー社といった暗号資産(仮想通貨)企業と協議しているとの報道を受けたものだ。
議員らは、2022年に中止に追い込まれた過去のLibra計画での経緯を指摘し、規制上の懸念を改めて表明した。
Metaの戦略に8つの質問
書簡では、Metaの仮想通貨戦略に関する8つの具体的な質問が盛り込まれている。
これには、独自のステーブルコインを発行する計画の有無や既存発行元との提携、法案成立に向けたロビー活動の可能性が含まれる。ザッカーバーグCEOは17日までの回答を求められている。
金融システムへのリスクを警戒
議員らは、Metaがステーブルコインを管理することで金融プライバシーや公正な競争、米国の金融主権が脅かされる可能性があると警告している。Metaが取引データを監視型広告や第三者へのデータ販売に悪用する恐れも示された。
特に、全世界で39億8000万人以上のユーザーを抱えるMetaの市場支配力が、デジタル決済分野での独占や金融システムの不安定化につながるリスクとして問題視されている。議員らは、法案に財務長官が特定企業を規制対象から除外できる条項を含む点に触れ、Metaがこの抜け穴を利用する可能性を危惧している。
Metaの広報責任者であるアンディ・ストーン氏は8日、ステーブルコインの積極的な開発を否定する声明を発表した。しかし、内部文書では、同社が引き続き計画の可能性を模索していることが示唆されている。
議員らは、万が一Metaのステーブルコインが破綻した場合、2008年の金融危機のように納税者に負担が及ぶリスクも指摘している。今回の動きは、金融サービスへの進出を図る巨大テック企業と規制当局との間の緊張関係を浮き彫りにするとともに、AppleやGoogleなど他企業にも影響を及ぼす可能性がある。